佐渡ケ嶽親方の長男が前相撲デビュー

佐渡ヶ嶽親方(左)と握手を交わす琴鎌谷=福岡国際センター(撮影・保田叔久)
3枚

 大相撲の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の長男・琴鎌谷(ことかまたに)=本名・鎌谷将且、埼玉栄高3年、佐渡ケ嶽部屋=が九州場所3日目の10日、前相撲を初めて取りプロの世界での第一歩を踏み出した。午前8時30分過ぎ、花道の奥から父である師匠の佐渡ケ嶽親方と母でもあるおかみさんの真千子さんが見守る中で琴鎌谷が土俵に立った。対戦相手の横江(武蔵川部屋)を右四つ左上手に組み止めると、すかさず左からの上手出し投げで記念すべきプロ初白星をつかみ取った。

 「少し緊張したけど、しっかり相撲が取れて良かった。動きはまずまずだと思います」と冷静に振り返る。部屋での稽古は四股やぶつかり稽古など基礎が中心だが、186センチ、147キロの恵まれた体格を生かして右四つのスケールの大きい取り口が持ち味だ。祖父は元横綱琴桜で先代佐渡ケ嶽親方の鎌谷紀雄氏。10月6日の入門記者会見を終えると、先代の墓参りへ出向き「今度こそ本当に自分の番だな」と偉大な系譜を引き継ぐ決意を覚悟した。

 10年前の06年九州場所で現役を引退した佐渡ケ嶽親方も、思い出の地で長男が初土俵を踏み、「九州場所はいろいろありましたからね。見ている方はドキドキです」とホッとした様子で父親の表情を少しのぞかせた。初土俵からは琴鎌谷のしこ名だが、三段目に昇進すれば父のしこ名である琴ノ若を継承する予定。さらに大関に上がった時には、偉大な祖父のしこ名である琴桜を襲名する意向になっている。

 「ここからがスタートですね。先代のような相撲を取ってくれれば」と佐渡ケ嶽親方が期待をかければ、琴鎌谷も「やらないといけない。集中してひとつひとつ番付を上げていきたい」ときっぱり。無限の可能性を秘めた角界のサラブレッドが、いよいよたくましく駆け出した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス