英国グラスゴーでの体操世界選手権で、団体、個人総合、種目別・鉄棒の３種目で金メダルを獲得した内村航平（２６）＝コナミスポーツク＝ら日本代表選手団が３日、帰国した。帰国後、会見に臨んだ内村は、種目別の床運動で金メダルを獲得した白井健三（１９）＝日体大、あん馬で銅メダルを獲得した萱和磨（１８）＝順大＝の大学１年生コンビの実力を高く評価。「かなり今回は助けられた」と感謝した。

　内村の会見での主な一問一答は次のとおり。

　－大会を振り返って。

　「まずは本当に一番欲しかった団体の金メダルを取ることができて、一番そこが良かったなというところと…。結果は金メダルだったけど、演技の方が納得ができていない。最後の最後でうまく決めきれなかったところが。来年はそんなうまくいくと思ってないので、そこをしっかりやっていかないと（いけない）」

　「初めて勝ったんですけど、僕たち自身も勝ち方がいまいちよく分からなかったっていうのはあった。１回勝っておくと、周りの審判も、世界の人たちも来年も日本が（金メダル）取ってくれるだろうと（思うと）いう、いい流れをつくれたので。まずは来年団体で勝つために何をやっていくのか見えたと思うので、そこへ向けてやっていきたい」

　－６連覇を達成した後の指で６を表現したポーズは、とっさに出たのか。

　「その場で出たものです。事前に考えていたわけではないです。団体金を取った後の個人総合金メダルは初めてだったので、いつも以上に達成感がありました」

　－落下もあった中で獲得できた金メダルだが、体操の難しさを感じたか。

　「鉄棒のカッシーナという技で、団体決勝で落下したんですけど、試合で使ってきて、試合で落ちたことは一度もなかったんですけど…。自信もあったんですけど、そこで落ちてしまった。体操の難しさを改めて知りましたし、団体で金メダルを取ることはそんなに簡単じゃないというのを改めて知った大会でした」

　－団体で金メダルを取った瞬間の気持ちは。

　「全種目を任されていて、最後の最後、自分のせいで取れなかったらどうしようと思っていたので、正直、点が出ても自分の納得のいく演技じゃなかったというところと…。そんなに実感がなかったです。初めてのことだったので。勝った喜びよりも、最後の最後で決めきれなかった悔しさの方が大きいので、来年へ向けての課題になりました」

　－リオ五輪へ向けての課題は。

　「自分の中ではどんな状況でもミスのない演技ができる準備をしてきたつもりだったんですが、予選で（床運動で）すごく待たされてミスがあって、団体決勝で鉄棒で（落下を）やってしまったり、いつもやらないところでミスが出てしまったので、五輪はいつもの試合よりも何が起きるか分からない試合と思うので、いろんなことを想定してミスのない演技を心がけるのが課題と思っています」

　－若い白井選手や萱選手をどう見ていたか。

　「予選の時は（自分の）床のミスの後に健三（白井）がばっちりやってくれた。あん馬も少しミスが続いてきた中で、和磨（萱）がしっかり決めた。２人ともチームの流れを変えられる演技で、気持ちの強さを持っている選手だなと感じます。１０代のころからできているのは恐ろしいと思いますし、これから一緒に戦う仲間としてかなり頼もしい存在だと思う。演技でチームの流れを変えることは難しい。相当な練習を積んでいないと、そこまでの演技力にならない。かなり今回は助けられたと思います」

　－大会を通じて見えたものは。今の疲労感は。

　「種目別・鉄棒の日はかなりの疲労感、筋肉痛があって。個人総合決勝までは自分のやるべき仕事だと思って気持ちを持続できていて、体の調子もかなり良かったですけど。もし前半種目で（前の日の）種目別に残っていたらと考えると恐ろしかった。予選で取りこぼした難度やミスもあって、本来ならば種目別決勝に残れている種目も何個かあった。種目別のことを考えているわけじゃないですけど、しっかりやれば、もう少したくさんの種目に残ることができたなと思いました。日本についた瞬間、一気に疲れがきて、今すぐにでも家に帰りたい（笑）」

　－リオ五輪の目標は。

　「一足先に代表の内定をいただいて、オリンピックへ向けていち早く準備ができるんですけど、狙うのは団体の金しかない。できれば同じメンバーで団体の金を目指してやりたいんですけど、５人に減ってしまう。どういった選手が選ばれるか分からないですけど、決まったメンバーと一致団結して団体の金を取りたいと思います」