羽生の強さ 荒川さん出産後初の生解説

 13日までスペイン・バルセロナで行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで今季世界最高得点を出して2連覇を果たした羽生結弦(20)=ANA=を15日、06年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さん(32)が大絶賛した。荒川さんはこの日、テレビ朝日系の「モーニングバード!」に出演。今年11月6日に第一子となる長女を出産後、初のテレビ解説となった。

 出産前と変わらないスレンダーな体形で登場すると、11月のGPシリーズ第3戦・中国戦直前の練習で他選手と激突して負傷しながらも出場を続けた羽生を、「ここまで戻してきたというよりは、昨シーズンよりも一段とレベルアップしてきたんじゃないかというぐらいの強さがあって、一つも二つも大きくなったなという感じ」と称賛した。

 13日のフリーで、冒頭の4回転ジャンプ、サルコーとトーループを成功してリズムに乗った羽生。荒川さんは「自分も跳べるんじゃないかと思わせてしまうほど簡単そうに見えるんですけど、それは彼の魅力でもあって、効率よく力を使う。何の迷いもなく、うまく力を使うことができたので、これだけ余裕がある回転になった」と評価した。

 今回、羽生がマークした合計288・16点は今季世界最高。フリー194・08点は自己ベストだった。「やったことのベースだけでもレベルが高く、(その上)さらに出来が良かったものが前半も後半もたくさんあった。得点源を絞らずに戦い抜くためのプログラム構成。それをこなしたことが認められた」と、“攻めのプログラム”の勝利を強調した。

 大きな事故から短期間で立て直してきた精神力にも言及。「起こったことを受け止めて、目をそらさずに今何をすべきかということに向き合える強さがある。やらないという決断もあったとは思うんですけれど、それをせず、自分が今ある状況の中でできる限りのことをやって向き合うという気持ちが本当にアスリートだなと思いました」と話した。

 幼少時から羽生を知るだけに、“羽生少年”にも思いをはせた。「自分を持ってる。自分が今どうすべきか、どうしたいのかが若い年齢のうちからあって、そういった意味ではアスリートとしての成熟が早いなと思った」と振り返る。

 ソチ五輪、世界選手権を制し、GPファイナルも日本男子初の2連覇。そんな無敵の王者の今後について、荒川さんは「あとは自分がどこまで高められるかという挑戦に入っているんじゃないかと感じます。勝つためだったら、もっと無難な(プログラム)構成はいくらでもある。自分の限界がどこにあるのか見たいんじゃないでしょうか」と、その胸中を思いやった。

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