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広島の育成・辻空がラストスパート

 広島の育成選手・辻空投手(21)がラストスパートをかける。今季で育成3年目が終了。来季の契約を勝ち取るためには、残り3週間で結果を出し続けるしかない。

 野球人生の岐路に立つ。辻は誰よりも強い気持ちを1球に込める。「残りのシーズンが本当に大事。全力で投げきりたい」。キリリと表情を引き締めて、決意表明した。

 育成選手の契約期間は3年。辻は12年度育成ドラフト1位で広島に入団した。来季の支配下登録、または育成選手として再契約されるためには、その右腕で自らの力を証明してみせるしかない。

 勝負の時。最大の武器である直球に本来の球威が戻った。8月29日のウエスタン・阪神戦(鳴尾浜)では、自己最速にあと1キロと迫る150キロをマーク。140キロ後半も常時、計測するようになった。「空振り三振が増えた」。持ち味の力で押す投球が復活した。

 昨秋キャンプで初めて辻を目にし、その将来性を高く評価してきた佐々岡2軍投手コーチは、復調に目を細める。「チームの中で、真っすぐで空振りが取れる数少ない投手。今はそれがいいし、あの真っすぐは魅力的。自分の強みを出して、残りのシーズンを死に物狂いでね。3桁の背番号を2桁にする意気込みで、やってほしい」と期待を寄せた。

 支配下登録を目指した今季は、ケガに泣いた。4月後半には左の肋骨(ろっこつ)を骨折し「フォームが崩れた。痛くないように投げようとして、左肩が早く開いた」。球威が落ち、打ち込まれる試合が続いた。

 復調のきっかけは、恐怖心の克服にあった。「勝負をかけないといけない」。シーズンは進み、自分に残された時間は確実に減っていく。8月9日のオリックス戦(豊平)で、痛みが出るかもしれないが思い切り腕を振ろう。腹をくくった。そこから快進撃が始まった。肋骨(ろっこつ)は「まだくっついていない」という。それでも「今は怖さがない」と言い切った。

 「このままでは終われない」。変化球の制球には課題がある。佐々岡コーチ直伝の縦に大きく割れるカーブの習得も道半ばだ。だが、今は直球を最大限アピールしていくことが、自らの道を切り開いていくと信じている。

(デイリースポーツ・市尻達拡)

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