元西武助っ投がMLBで快投 最多勝、防御率0・00、奪三振率17・72!豊田コーチから教わったのは「ヘイジョウシン」と「フォーク」

 西武に感謝するギャレット(撮影・小林信行)
 豊田投手コーチから教わったスプリットの握りを見せるギャレット(撮影・小林信行)
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 「ドジャース4-6メッツ」(20日、ロサンゼルス)

 20年と21年に西武でプレーしたメッツのリード・ギャレット投手(31)が2点リードの九回から6番手で登板し、3者連続三振の圧巻の投球でメジャー初セーブを手にした。前日の試合では六回からマウンドに上がり、打線の援護を受けてMLB最多タイの3勝目。ここまで6登板で防御率0・00、奪三振率17・72と驚異的な快投を披露している。

 空を見上げてギャレットが吠えた。八回途中から投入された守護神ディアスに代わり、託された2点リードの九回のマウンド。最後の打者をスプリットでねじ伏せた瞬間、右腕が歓喜を爆発させた。

 米球界に復帰して3年目。驚異的な奪三振率の裏にあるのは「ストライクゾーンに投げられる自信がついたんだと思う。ストライク先行の投球ができていることが大きい」。もちろん、メンタルな部分だけではない。米国に戻ってからは投球板に立つ位置を三塁側へ移し、フォーシームだけでなく、ツーシームも投げるようになった。

 「日本の打者はボールを見てくるし、当てるのが本当にうまい。フライを打たせるためにはフォーシームが効果的だったけど、こっちの打者はフォーシームにめっぽう強い。だから、小さく動くツーシームを入れるようにしている」

 今季は配球をさらに工夫を加え、割合を速球より変化球を高くした。中でも、ひときわ目を引くのが決め球のスプリットだ。まだサンプルは少ないが、空振り率は65%に達し、ここまで奪った21三振のうち、約半分の11個をスプリットが占めている。

 「握りは豊田(清)コーチから教えてもらいました。人差し指と中指で挟むフォークではなく、両方の指を離して握るスプリットチェンジと言った方がいいかもしれない」。

 現役時代は西武、巨人、広島を渡り歩き、2度のセーブ王に輝くなど、リーグ屈指の抑えとして活躍した右腕直伝の宝刀。「彼は素晴らし先生です」と感謝する。

 前日19日の試合では2点リードの六回に2番手で登板。しかし、味方三塁手の2失策と死球で2死満塁の窮地に陥り、適時打で2点を失ったが、スプリットで空振り三振を奪うなど、逆転を許さずに降板。その直後に味方打線が勝ち越しに成功し、3勝目を挙げた。

 感情のコントロールが難しいマウンドだったはずだが、ギャレットは「『ヘイジョウシン』。豊田コーチから教わった言葉です。どんなことがあってもマウンド上ではヘイジョウシンね。僕にとってはとても大切な言葉です」と懐かしそうに話す。

 西武での通算成績は110登板、7勝5敗2セーブ、33ホールド、防御率3・46。「日本での初勝利は今でも忘れられない出来事の一つ。ウイニングボールはすべてケースに入れてプレゼントされた。ユニホームは家の壁に飾っています」とギャレット。「ライオンズで過ごした時間は本当に楽しかった。みんなよくしてくれましたし、すごく助けられました」。わずか2年だったが、公私ともにかけがえのない経験になったことは間違いない。

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