大谷が語った苦しい時期「その時は落ち込みました」 メジャー1年目を振り返る

メジャー1年目を振り返る大谷(撮影・小林信行)
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 「エンゼルス5-4アスレチックス」(30日、アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(24)は今季最終戦に「3番・指名打者」で出場し、4打数1安打1得点だった。2-4の九回に先頭で中前打を放ち、逆転サヨナラ勝利につなげた。メジャー1年目の成績は打者として104試合(代打22試合)に出場し、打率・285、22本塁打、61打点。投手として10試合に登板し、4勝2敗、防御率3・31だった。

 2点を追う九回。ここまで3打席無安打だった大谷が快音を響かせた。7番手右腕ハッチャーにカウント1-2と追い込まれながら高めに浮いた151キロ速球を中前へ弾き返した。続くマルテの左翼線二塁打で生還して1点差。最後はウォードの2ランで劇的な逆転サヨナラ勝ちだ。「いい形で逆転できて、いい終わり方ができて本当によかったと思います」。満面笑みでベンチから飛び出し、仲間たちと勝利の喜びを分かち合った。

 この日でメジャー1年目が終わった。「全体的に毎日楽しく野球ができたのが一番よかった。ポストシーズンに行けない悔しさももちろんあるんですけど、それはまた来年にぶつけられればいいんじゃないかなと思います」。オープン戦では投打で結果を残せず、米メディアから酷評されたが、シーズン開幕後は一転、投打で敵を圧倒し、チームの勝利に貢献。ベーブ・ルース以来、100年ぶりの二刀流選手として称賛された。

 「キャンプからやってきて毎日感じるのはやっぱりまだまだうまくなれる、というところ。日本にいた時よりもそういうのを感じる日がすごく多い」。

 シーズンを総括する中で何度も「楽しい」という言葉を使った大谷だったが、もちろん、苦しい時期もあった。

 「打てない、打てるとか、抑えない、抑えられるっていうのは、これは実力の問題なので、そこについては悩むんですけど、へんな悩み方っていうのはない」と、数字に気持ちが左右されなかったことを明かしながら「けがをした時はやっぱり、やれるのにやれなかった、本来なら出続けられるかなというところで、けがをして出られないのはもどかしいという感じはあった。その時は落ち込みました」と、故障者リスト入りを余儀なくされた6月の長期離脱を振り返った。

 試合終了後の会見で10年契約を満了したソーシア監督が涙ながらに退任を発表した。クラブハウスで指揮官のスピーチを聞いた大谷は「(昨年12月の)入団の時のミーティングから始まって1年もないですけど、楽しく毎日野球ができたのは監督のおかげ。球場に来るの楽しいという環境を作ってくれて感謝したいなと思います。素晴らしい監督だと思いました」

 メジャーのほぼ全球団が大谷争奪戦を繰り広げた中、エンゼルスを選んだことに「毎日、球場に来るたびに(エンゼルスに)来てよかったなとは感じるし、今でもそう思ってます」と言い切った。

 9月2日のアストロズ戦に登板した後、右肘内側側副靭帯に新たな損傷が判明。それでも打者として出場する意思を示し、この日まで24試合連続でスタメンに名を連ねた。9月の月間成績は打率・310、7本塁打、18打点。スラッガーの指標でもあるOPS(出塁率プラス長打率)は10割を超えた。

 今月第1週に右肘靭帯の再建手術を受けることが決まっている。来季は打者に専念する。「術後の進行にもよるので、まずはしっかりいいリハビリをしたい。なんとか来年にいい流れにもっていけるように、ポストシーズンに行けるように頑張りたいなと思ってます」。大谷が明るい声で早期復帰に意欲を見せた。

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