大谷「ホームランが痛かった」六回途中4失点で勝敗つかず メジャー自己最速163キロ

アストロズ戦の6回途中で降板するエンゼルス・大谷(下)にボードを掲げて声援を送るファン=ヒューストン(共同)
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 「アストロズ7-8エンゼルス」(24日、ヒューストン)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が先発登板し、5回1/3を投げて6安打4失点で勝敗はつかず。メジャー移籍後最多の98球を投げて7三振、5四球。デビューから4試合の奪三振数は26となり、球団記録を塗り替えた。メジャー自己最速を更新するとともに今季のメジャー先発投手では唯一の101マイル(約163キロ)を連発した。

 右手まめの影響による悔しい敗戦から1週間。ローテーションを飛ばすことなく、マウンドに立った大谷が対じしたのは昨季王者のアストロズ打線だった。

 初回。自軍の主砲トラウトの両リーグ最速10号ソロで援護を受けた後のマウンドは先頭のスプリンガーにいきなり右前打を許す。初球156キロ直球が内角高めに浮いた後、外寄り低めの156キロを痛打。しかし、後続を断って無失点。前回登板で制球に苦しんだスプリットは、3番コレアにカウント1-2と追い込んでから2球連続で投じたが、いずれもボールに外れ、不安を残す立ち上がりとなった。

 二回の攻撃でシモンズが2号ソロを放ち、リードを広げた後のピッチングは2者連続三振でリズムを取り戻したかに見えた。しかし、6番ブレグマンにフルカウントから甘く入ったスライダーを左越え二塁打。続くマキャンを四球で歩かせた後、ゴンザレスにカウント2-1からメジャー自己最速101・1マイル(約160・1キロ)を右前へ時速172キロの打球ではじき返され、1点を失った。

 二回を終えて36球。ストライクはほぼ半分の19球。修正能力が問われた三回は3点リードのマウンドだ。先頭のフィッシャーに四球を与えたが、スプリンガーを二邪飛、さらにアルチューベを140キロスプリットで空振り三振。2死から再び、四球で一、二塁となったが、レディックをワンストライクからメジャー自己最速の100・6マイル(約161・8キロ)の直球で空振りを奪うと、最後は91・1マイル(約146・6キロ)のスプリットでバットに空を切らせた。

 四回は先頭のグリエルに中前打を許したが、後続を断って無失点。最後は併殺打で切り抜けるなど、わずか7球の省エネ投球で波に乗ったかと思いきや、五回は先頭にこの日4つ目の四球。続く9番フィッシャーに初球、低めの153キロ直球をセンターバックスクリーンへ運ばれる2ランで1点差に詰められた。スプリンガーにも右前打を許したところで、ブルペンが動き出す。しかし、ここから大谷が中軸打者を相手に粘りの投球を見せた。

 無死一塁から2番アルチューベをスプリットで空振り三振。続くコレアを二飛に打ち取ると、4番レディックに再びメジャー自己最速を更新する101マイル(約162・5キロ)を2度マークするなど右飛に仕留めて追加点を与えなかった。

 4-3の六回も続投した大谷は先頭グリエルを四球で歩かせ、続くブレグマンを158キロ直球で空振り三振に仕留めたところでお役御免。3勝目の権利をもって勝利のバトンを左腕のアルバレスに託す。一部の敵地ファンが立ち上がって拍手と歓声を送る中、マウンドを降りる。毎回走者を背負いながらも粘りに粘ったメジャー自己最多の98球だった。

 しかし、アルバレスが踏ん張り切れなかった。1人目マキャンに痛恨の逆転2ランを献上し、大谷の3勝目は消えた。敵地で劣勢となったエンゼルスだったが、七回にシモンズのこの日2本塁打目となる3ランなどで逆転に成功。同地区ライバルに敵地で連勝し、ア・リーグ西地区首位の座を奪い返した。

 試合後の大谷はこの日の98球を振り返りながら「粘れたところももう少しできたところもあったので、結果的に勝ったということに関してはすごく良かったですし、もう少しいいところを発揮できる場面があったと思う」と複雑な心境をのぞかせた。また、5四球については「出した数の多さよりかはいいところを攻めた結果だと思ってるので、そこに関しては特にはないんですけど、ホームランが痛かったかな、と。下位打線にああいう点の取られ方はあまりよくないなあというのは感じたのでそこは次回以降の課題になるんじゃないかなと思います」と反省を口にした。

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