マー君OP戦初登板!レインボー配球

 「オープン戦、ヤンキース4-0フィリーズ」(1日、タンパ)

 ヤンキースの田中将大投手(25)が1日、オープン戦初登板で2回を2安打3奪三振で無失点に抑えた。海外選手では史上最大の契約となる7年1億5500万ドル(約160億円)で合意した注目の右腕は総立ちで迎えた観客に虹色の球種を披露した。

 待っていた。「タナカ」の名前がアナウンスされるとほぼ満員、1万934人の観客が次々と立ち上がった。160億円右腕の初陣。“主役”のためにやや遅れてグラウンドに出た周囲の心遣いにやや戸惑いながらマウンドに向かった背番号「19」が温かい拍手と歓声で迎えられた。

 3番手、五回からの登板。注目の初球は92マイル(約148キロ)の直球だ。バットが空を切った瞬間、スタンドがどよめいた。続くスライダーで再び空振りさせ、またどよめき。三振を期待する拍手の中、この日最速となる94マイル(約151キロ)直球が中前に落ちると今度はため息。ルーキーが人々の心をわしづかみにしていた。

 「あれは完全な僕の投げミス」。出はなをくじかれた。しかし、ここからが昨季、24勝無敗の男の真骨頂だ。後続を3人で片づけ、ベンチで待つ仲間とグータッチを交わし、笑みをこぼした。

 7つの球種。“虹色の配球”を駆使した。六回は先頭を今や「世界一」と呼ばれている、宝刀スプリットで空振り三振。さらに昨季27本塁打の若き強打者、ブラウンからはスプリットの代用として習得中のチェンジアップで空振りを奪い、カットボールで息の根を止めた。進化する姿を見せた。

 勝負曲が場内に響き渡ったのは五回の投球練習のとき。ファンキーモンキーベイビーズの「あとひとつ」。日本では完投を目前にした九回に流していたお気に入りの曲だ。「事前に聞いていなかったのでうれしかったです」。感謝の気持ちをパフォーマンスで表現した。

 まったく危なげのなかった32球。ストライクが23球。空振りを8度奪った。「まずまずだったと思います」。控えめな言い回し。しかし、試合後の田中の声はしっかりはずんでいた。

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