オフィスビルの窓辺に、巨大な鳥らしきものが……!「何かいる」「朝からビビった」SNSでも話題となった、その正体とは?
大阪・中之島にある高層オフィスビルを見上げたら、窓辺にカラフルなインコがズラリ。それもサイズが……大きすぎる。6月末から登場した異質な光景に、「ビルの4階に何かいる」「信号待ちでふとビルの窓を見たら、 インコが大量に並んでて朝からビビってます」など、「なぜ?」と驚いた人の声が、SNSで散見されている。
インコがいるフロアに上がってみると、8月30日まで「中之島香雪美術館」(大阪市北区)で開催されている特別展、『インコ イズ カミング! 香雪美術館コレクション×川上和歌子 ~ピコ&ピータといっしょに古美術鑑賞~』の展示の一部だった。
会場には、現代アーティスト川上和歌子さんによる約200羽の布製の手作りインコが、まるで古美術を楽しんでいるかのように賑やかに群れている。展示されている古美術の絵柄や形も、鳥モチーフが多めとなっており、150センチほどもある巨大インコたちと一緒に、古美術の鳥モチーフを探しているような気持ちになる。
古美術といえば難しい印象を持たれがちだが、同美術館では初めての試みとして“現代アート”と共演することで親しみやすい企画に。インコの写真を撮影する人も続出し、SNSでは好評の声が寄せられている。
「鳥の展示がいっぱいで見てて楽しかった~!」「私の身長と同じくらいのセキセイインコに会えるなんてワクワクしかない」「集中して鑑賞した後にふっと視界にユルイインコ、癒やされるやん~」など、古美術鑑賞のハードルを大きく下げ、気軽に楽しめるきっかけとなっているようだ。
同美術館の古美術は、朝日新聞社創業者のひとり、村山龍平氏が収集。貴重なコレクションの中から、前期は江戸時代の“奇想の画家” 曾我蕭白「鷹図」や、葛飾北斎「肉筆画帖」。後期は、本年春に重要文化財に指定されたばかりの桃山時代の長谷川等伯「柳橋水車図屏風」などが展示され、古美術の“本物”が鑑賞できるのも魅力。
今回はインコの面白さにとどまらず、解説の工夫も見どころだ。たとえば「鷹図」に添えられた「鶉(うずら)たち、はやく逃げて!」といった楽しいコピーをはじめ、ほぼすべての漢字にふりがなを振るなど配慮が行き届いている。大学生以下はいつでも無料なので、初めての古美術鑑賞にも最適だ。「難しいと思われる古美術もインコと一緒に楽しんでいただけているようで嬉しいです。後期では、これまでご紹介の機会が少なかったビックリな逸品も登場します」と、美術館の担当者も来館者の反響に手応えを得ている様子だ。
また鳥グッズを持参すると、「トリとともに割」適用で、入場料200円引きとおトクになるサービスも用意。アクスタやぬいぐるみのほか、鳥の総柄アロハなんて人も来場したそう。毎週土曜日の11時から13時は、展示の茶室の前で、川上さんの代表的な作品、セキセイインコのピコとピータを抱っこして記念撮影もでき、こちらも毎回人気とのこと。
『インコ イズ カミング! 香雪美術館コレクション×川上和歌子 ~ピコ&ピータといっしょに古美術鑑賞~』は、「中之島香雪美術館」にて開催。前期は6月27日~7月26日で終了、後期は8月1日~8月30日。料金は一般1600円(大学生以下無料)。土日祝と8月10日から14日は、作品の感想を家族や友人と話ししながら楽しめる「展示室内でおはなしも、笑うのも、泣くのもOK!」の日を実施。さらには、毎週金曜日には学芸員によるミニトークと夜間特別開館あり。詳細は公式サイトにて。
取材・撮影・文/太田 浩子
(Lmaga.jp)
