クッキーの予約は1年待ち……創業119年・京都最古の洋菓子店の隣に新ブランド 4代目「変わらない味も大切に、新商品にもチャレンジを」 お土産としても人気

創業明治40年(1907年)の「京都村上開新堂」(京都市中京区)。京都で最も長い歴史を持つ洋菓子店が6月5日、店舗隣に新店「Maison de Murakami(メゾン・ド・ムラカミ)」をオープンした。

「予約1年待ちのクッキー缶」で知られる老舗が、令和に新しく立ち上げた新店は、瞬く間に人気となり、開店1時間前から行列を作るほど。4代目の村上彰一さんにお話を伺った。

■明治創業の洋菓子店が、現代にお菓子屋を作ったら…

「京都村上開新堂では、“変わらない味”を求めてお客さまがご来店くださいます。その思いも大切にしたい一方で、新しい商品にチャレンジしたくても、出せないもどかしさがありました」と、村上彰一さん。

長年温めてきたお菓子への思いを「明治創業の洋菓子店が、現代にお菓子屋を作ったら」というコンセプトで形にしたのが「Maison de Murakami(メゾン・ド・ムラカミ)」だ。

「京都村上開新堂」と言えば、「ロシアケーキ」など粉の旨みと職人の丁寧な仕事を感じる素朴なおいしさの焼き菓子が並ぶが、なんと新店も同様に焼き菓子が看板メニュー。ただ、こちらでは発酵バターやスパイス、米粉なども使用し、さっくり、ホロホロといった現代的な味や食感を表現。「Maison de Murakami」に並ぶクッキー缶(3888円)は、複雑でリッチな味わいが詰まっている。

「京都村上開新堂」にはなかった冷蔵ショーケースも新店舗にはスタンバイし、バターサンド(3個入1180円)やテリーヌといった半生菓子が並ぶ。「特にバターサンドには思い入れがあって。いつの日かお披露目したい……と、5年ほど温めていた企画で。“生地が主役”のバターサンドです」とご主人。

ホロリ、さっくりと解ける生地に、クリームは軽やかに仕上げ絶妙なバランス。100年以上もの間、焼き菓子を作り続けてきた自負がうかがえる。

明治と令和の時代による菓子の表現の違いをご主人にたずねると、「素材はもちろん違いますが、食感や味わいで差を出しています。『京都村上開新堂』のお菓子はあっさり目で、噛むほどに味わい深い。『Maison de Murakami』はリッチで味がはっきりしているといったところでしょうか」。

でも実は、二つのお店は完全に分けられているわけではなく、融合したメニューも。例えば芳醇なチーズの風味を堪能できるチーズタルトは、タルト生地には「京都村上開新堂」のクッキーを砕いて練り込み、ザクザクとした食感と香ばしさをプラス。明治から令和まで続いているからこそ生まれた味わいになっている。京都が誇る老舗の伝統と、令和から生まれた新たな挑戦、その二つを一緒に体感しに訪れたい。

「Maison de Murakami」の営業時間は、12時~17時、日・祝・第3月曜休み、地下鉄東西線「京都市役所前駅」から徒歩約4分。

取材・文・写真/内藤恭子

(Lmaga.jp)

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