祇園に誕生する「帝国ホテル 京都」をはじめ、小学校跡地を生かした外資系ラグジュアリーホテルの開業、関西で出店を加速する人気コーヒーブランドの京都初進出、そして「太秦映画村」の全面リニューアルまで……2026年に京都で予定されている注目の新施設・リニューアル動向をまとめてご紹介。

■ 「帝国ホテル」が祇園に、300万超えスイートも「帝国ホテル 京都」が京都・祇園にて2026年3月5日に開業。「帝国ホテル」（代表：定保英弥）は東京、上高地、大阪に次いでの4軒目となり、1996年の「帝国ホテル 大阪」のオープン以来30年ぶりの誕生となる。

今回開業する地は、国の登録有形文化財かつ歴史的風致形成建造物である「弥栄会館（やさかかいかん）」。建物の外壁や外壁タイル・テコラッタの保存＆再利用と、銅板屋根や飾り物金を復元することによって、約90年前の風景が蘇る造りになる。

客室は保存・改築・増築という異なる建築構造を持つ2棟3エリアで展開し、最上位スイート空間も含め全55室備える。内装デザインは、建築家・榊田倫之氏によるもので、京都の風土・文化・建築的価値を尊重しつつ、デザインコンセプト「帝国、舞う」に沿ったものに。

保存エリアの部屋は祇園甲部歌舞練場や花見小路を臨め、改築エリアは会館の特徴的なシルエットを継承しながら、全体的にモダンな設えに。そして増築エリアは、祇園の伝統的な町並みと調和するよう、新たに増設。畳の部屋で日本建築の精神を現代的に表現する。

また改築エリアに位置する最上位スイートは193平方メートルあり、1泊300万から。北・東の二面に広がるテラスからの眺望が特徴で、祇園・お茶屋の町並み、祇園甲部歌舞練場本館、東山の山並みを一望できる。「弥栄会館」の時代から建物のシルエットを印象付けている「鐘塔」での体験も提供予定だ。

■ 京都の小学校跡地に「新たな外資系ホテル」「NTT都市開発」（本社：東京都千代田区）が、京都市東?区において開発を進めていた「元新道小学校跡地活用計画」が竣工したと発表。同プロジェクトは、学校跡地にホテルを新築し、宮川町歌舞練場を建替え、地域施設と一体で街づくりに貢献するというもの。

京阪・祇園四条駅から徒歩約4分、「番組小学校」として明治2年に開校した元新道小学校跡地に、ラグジュアリーホテル「カペラ京都」を新築。シンガポールに本社を置く「カペラホテルグループ」のフラッグシップホテルとなり、今回が日本初進出となる。地上4階、地下2階建てとなり、全89室。2026年春の開業を予定している。

また、花街文化継承の場「宮川町歌舞練場」を建て替え、地域施設も新築。敷地全体では、ホテル・歌舞練場・地域施設の3施設を新道通に沿って整備し、大和大路通、新道通、宮川町通の南北の通りに対して、2つの建物を新しく配置することで、東西に新たな人の流れを生み、地域の回遊性を高める狙いだ。

■ 関西に急増中「猿田彦珈琲」、京都初出店へ東京・恵比寿発のスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」（代表：大塚朝之）が2026年初春、京都に初進出。チェーン店ながら提供する空間づくりにもこだわり、店舗毎に内装デザインを変えるのが特長で、雰囲気の異なる店巡りを楽しむ人も多い。

2024年7月に大阪1号店を、大阪駅直結の駅ビル「イノゲート大阪」内に開業してから、立て続けに3店舗を出店。2025年12月には兵庫初進出を果たし、勢いそのままに今回は京都へ。

京都初の店舗は、祇園エリアに。八坂神社のすぐ近くに位置する「漢字ミュージアム」内にオープンする。限定ブレンドや特別メニュー、オリジナルグッズなど、京都店舗でしか楽しめない体験も用意されるという。「猿田彦珈琲 京都祇園」（京都市東山区四条通大和大路東入祇園町南側）は2026年初春にオープン予定。

■ 「太秦映画村」が全面改装、夜営業もスタート施設全体の大改装を進めている「東映太秦映画村」（京都市右京区）が、2026年3月28日に第1期リニューアルオープンを迎える。これを機に名称も「太秦映画村（英語表記：UZUMASA KYOTO VILLAGE）」へ変更することが決定した。

今年で50周年を迎える同施設は、1975年に映画づくりを見学できる日本初の映画テーマパークとしてオープン。これまで累計約6500万人が訪れ、時代劇の殺陣ショーやキャラクターショー、時代劇の登場人物への変身体験など、京都を盛り上げてきた。

今回のフルリニューアルでは「江戸時代の京へ、迷い込む」を新コンセプトに掲げ、20代・30代を中心とした大人の来場者も楽しめるように進化。リアルな江戸時代の町並みを再現するほか、京都の老舗店のスイーツや焼鳥専門店、「京都醸造」のクラフトビールなど、町歩きをしながら楽しめる10の食べ歩きスポットや、土産店も登場する。

さらに、ナイト営業も新たにスタート。京都は観光都市でありながら、夜間に楽しめる施設や店舗が限られているという声が、国内外から多く寄せられていることから、同施設では現状17時までの営業時間を21時（予定）までとし、夜の情緒を感じられるイベントを展開することに。江戸時代に没入したような体験が味わえる。

(Lmaga.jp)