京都で「やなせたかし展」開幕、初日から大盛況…約200点の原画、94年の人生を紐解く

『アンパンマン』の原作者などで知られる、やなせたかし(1919-2013)の初となる大規模巡回展が「美術館「えき」KYOTO」(京都市下京区)にて開幕。初日となる7月11日、会場にはオープン前から行列ができるほどの賑わいを見せた。

■ 94歳まで世の人々を楽しませた…やなせ初の大規模巡回展高知県出身のやなせは、1988年よりアニメ放送も開始した国民的作品『アンパンマン』を筆頭に、漫画家、詩人、絵本作家、イラストレーター、デザイナー、編集者など幅広い活動で世の人々を楽しませてきた。

2026年に「やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム」(高知県)が30周年を迎えることを記念し開催される同展。初の大規模巡回展ということで、原画約200点にくわえ、やなせの私物や画材などを含む約250点が一挙に集結する。

作品作りの根幹ともなる幼少期や三越百貨店に勤務していた時代の作品を紐解く「やなせたかし大解剖」からはじまり、「漫画」「詩」「絵本/やなせメルヘン」「アンパンマン」と5つのテーマにくわえ、晩年の活動を映像や私物で振り返る「エピローグ」と、見ごたえある内容となっている。

入り口付近には波瀾万丈なやなせの人生を記した年表や自身をモデルにしたキャラクター・やなせうさぎのオブジェが設置され、中に入る前からすでに期待が高まるレイアウトに。

なかでも代表作ともいえる『アンパンマン』の展示は見逃せないが、1970年代に絵本として発表された『あんぱんまん』の原画やかつて『いちごえほん』で連載されていた漫画などが並び、画風やキャラクターの変遷を感じられる。

また記念館を作るにあたってやなせが描き下ろしたタブロー画の展示も。大型のキャンバス画に描かれたアンパンマンたちはアニメとはまた異なる印象があり、迫力たっぷりだ。

また、血の繋がらない親子の愛を描く『やさしいライオン』や「復讐」をテーマにした『チリンのすず』といった絵本の原画や誰もが知る『手のひらを太陽に』をはじめとした直筆の詩など、展示を通しやなせの多岐にわたる活躍を辿ることができる。

『やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ』は、8月24日までの開催。京都駅ビル内「ジェイアール京都伊勢丹」7階に隣接した「美術館「えき」KYOTO」にて(会期中無休)。時間は10時~19時30分(入館締切:閉館30分前)、入館料は一般1000円ほか。

会場では『アンパンマン』や『やさしいライオン』などのワンシーンを使ったTシャツやマグネット、フェイスタオルといったグッズも販売される。

(C)やなせたかし (公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵

(Lmaga.jp)

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