神戸市が独自の調査データを提出、国に退院基準の緩和を要請

感染力が強いとみられる変異株が広がり、ますます陽性者が増えている新型コロナウイルス感染症。神戸市の久元喜造市長は4月8日の定例会見で、同市がおこなった独自の調査を根拠に、無症状患者の退院基準の緩和を国に提案したことを発表した。

新型コロナウイルス感染症で入院した場合、通常の退院基準は発症日から10日間となっている(症状により異なる)が、変異株の場合はPCR検査で陰性が2回確認されることが必要。しかしこの基準が、医療体制ひっ迫の要因のひとつとなっているという。

神戸市の「健康科学研究所」が、変異株の陽性者90人(有症状者74人、無症状者16人)を調べたところ、2回の陰性が確認されるまでの日数が、有症状者の平均は17.4日、無症状者は14.3日と、無症状者のほうが短いことがわかった。

また、コロナ陽性の確定までに必要なウイルスの増幅回数をあらわす「Ct値」では、発症から10日未満の検体でも8割以上が、感染リスクが低いと考えられる基準の30を上回っていることがわかった(数値が大きいほうが低リスク)。

これらのデータをもとに、退院基準の緩和を国に要請したという神戸市。4月2日には研究結果が国立感染症研究所のウェブサイトにも掲載され、9日には退院基準の緩和が一部で報道されたが、これは神戸市の調査が根拠のひとつになった可能性もある。

久元市長は、「(1)市民のみなさんの行動変容、(2)受け入れ病床の確保、(3)変異株が広がっている状況を受け止め、それに応じたルールを国に要請する。これらで、この危機的な状況を乗り切っていきたい」と話した。

取材・文・写真/合楽仁美

(Lmaga.jp)

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