中川大志「不安なときは、夢が芽生えた瞬間を思い出す」

中川大志と清原果耶が、声優としてダブル主演を務める劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』が、12月25日から公開。 芥川賞作家・田辺聖子の同名小説が原作となり、車いす生活の少女・ジョゼが大学生の恒夫と出会い、外の世界へ飛び出す姿が美しい映像とともに描かれている。

今回は恒夫の声を演じる中川に、役に込めた思いや、作品の舞台である大阪の思い出などリモートで話を訊いた。

取材・文/西村円香 ヘアメイク/池上豪(NICOLASHKA) スタイリスト/山本隆司

「決めたことは絶対やり遂げたいし、負けず嫌いな性格です」──恒夫を演じることが決まったときの気持ちはいかがでしたか?

自分は俳優なので、声のお仕事にチャレンジする機会をいただけるのはうれしいことですし、ありがたいことだと思いました。恒夫は留学するという夢がしっかりあり、そこに向かってバイトを掛け持ちするなど努力もしている。

ちょっと頑固というか負けず嫌いなところがあるので、そういうところは僕と似ているかなと思いました。僕自身もやると決めたことは何としてでもやりたいし、負けず嫌いなところがあるので、その辺りは恒夫に共感できました。

違うところは、恒夫はちょっと人の気持ちに鈍感すぎるかな・・・。僕はもうちょっと敏感だと思います(笑)。

──恒夫とジョゼのような、運命が変わってしまうほどの出会いをしたことはありますか?

俳優という仕事に就くきっかけはスカウトだったので、今でも僕を道端でスカウトしてくれた人に出会えたのは運命だったのかなと思います。女性との出会いで憧れるのは、相手がカフェの店員さんで、自分はお客さんで通っていて、そこから恋が始まるとかですかね。

──それはカフェの店員さんが、ドキドキしてしまいそうですね(笑)。ちなみに、スカウトされてから今に至るまで人生にどんな変化がありましたか?

最初は俳優の仕事は、訳も分からずやっていました。でも、続けていくうちに、自分の作品を見てくれた人から「感動しました」「面白かったです」と感想をもらったときに、自分が演じた先にはこういう風に受け取ってくれる人がいるんだなと実感できたんです。

まだ小学生でしたが、僕にとっては大きな出来事で、純粋に心に響いて、俳優という仕事と真剣に向き合うようになりました。

──早々に将来の夢を見つけられたんですね。この作品では、そんな夢をあきらめるなというメッセージも込められていると感じました。今年はコロナの影響で、あきらめざるを得なかった人たちもいたと思うので、余計に心に響きました。

特に今年は世界が変わってしまったので、何のためにがんばればいいのだろう、夢に向かってがんばる意味があるのかな? という、閉鎖的な感情に押しつぶされそうになっちゃう気持ちって、絶対誰もがあると思います。

しかも、それが進路を決断するタイミングだったらなおさら不安も多いはず。そんな不安を感じたとき、僕は夢を持った瞬間のこと、夢が生まれたときの気持ちを思い出すようにしています。

夢に向かうのがすべてになってしまって、その瞬間って忘れがちだから、なぜ夢に向かおうと思ったか、芽生えた瞬間を忘れないようにしていたら、不安なときでもその気持ちが自分に力をくれるんじゃないかなと思います。

「551の豚まんが大好きで毎回食べています」──これからの夢、もしくは将来については?

目標や叶えたいことは、自分のなかではあります。以前は、目の前のことをひとつひとつやっていくという感じでしたが。年齢を重ねて、どんどん目まぐるしく時代が流れていくなかで、ひとつずつ考えて大切にしていかないと、あっと言う間に通過していってしまう。そんな思いから、長い目で自分の将来を考えるようになりました。

──今作は「箕面市図書館」「海遊館」「HEP FIVE」など関西の施設が次々と登場しますが、大阪でお気に入りのスポットはありますか?

映画のキャンペーンなどで来ることが多いのですが、ゆっくりご飯を食べたりする機会がないんです・・・。でも、551の豚まんは、新幹線を降りたら食べますね。買ってから新幹線に乗り込むことがあるくらい大好きです。

あと、「大阪城」は時代劇で豊臣秀頼を演じたことがあって、役作りを兼ねて行きましたね。動物園が好きなので、今回ジョゼと一緒に出かける「天王寺動物園」には行ってみたいと思いました。

──今回は、声優初挑戦という芸人・見取り図も出演されていますが、お笑いはお好きですか?

見取り図さんとは、収録現場が一緒にならなかったのが本当に残念なのですが、お笑いは小さい頃から好きです。今は土佐兄弟が好きで、SNSで見ていますね。学生の特徴をつかむのも、あるあるネタの演技も上手いなーと感心してしまいます。

──最後に、関西のファンの方にメッセージをお願いします。

映画では、地元の方だったら馴染み深い場所もたくさん出てくるし、「わー、ここも出て来た」なんて発見もしてもらえると思います。ホームページでは、『ジョゼ虎のオリジナル大阪マップ』も公開しているので、その場所に足を運んでもらったり、いろんな楽しみ方をしてもらえたらうれしいです。

(Lmaga.jp)

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