福本莉子「北村匠海さん曰く、サバサバ砂漠な性格です」

人気少女漫画家・咲坂伊緒による青春恋愛漫画を実写化した『思い、思われ、ふり、ふられ』が8月14日に公開。相手を思えば思うほどすれ違う高校生4人の切ない片思いを描いた同作で、恋愛に消極的で自分に自信を持てない由奈を演じるのは女優・福本莉子。

第8回『東宝シンデレラ』オーディションでグランプリを獲得し、映画『屍人荘の殺人』(2018年)、舞台ミュージカル『魔女の宅急便』(2018年)などにも出演し、現在活躍の場を広げる注目の女優だ。大阪の池田市出身でもある彼女に、撮影での思い出やプライベートについて話を訊いた。

取材・文/西村円香 写真/南平泰秀 スタイリスト/武久真理江

「内気な役に合わせ声もチューニングしました」

──明るく社交的な朱里に浜辺美波さん、クールで朱里の義理の弟となる理央を北村匠海さん、由奈の幼馴染の和臣を赤楚衛二さんが演じ、それぞれの恋心や抱えている秘密など、心の機微が丁寧に描かれているのが印象的でした。理央が好きだけど、告白できずにいる由奈を演じてみていかがでしたか?

原作が大人気なので、私も咲坂先生の『ストロボ・エッジ』や『アオハライド』を読んでいたので、実写版に出させていただくのはうれしい反面、それだけファンが多い作品だと思うとそれなりにプレッシャーもありました。

だから、演じる上では原作を大事にしました。全12巻をしっかり読み込んで、約2時間という映画では描き切れない時間の流れや由奈ちゃんの心の動きを自分の台本に書き込んだりして準備をしていましたね。

また、本読みの段階で、三木孝浩監督と一緒に声のチューニングをしたんです。由奈ちゃんは地声よりも高めの声で演じているのですが、シーンを重ねるごとに地声に近くなってしまって「声が低くなっているよ」と注意されてハッとすることもありました。

──福本さんから見て、由奈はどんな女性ですか?

由奈ちゃんはおどおどしているけど、誰よりも芯が強い女の子なので、告白するところはかっこいいなと思いました。自分より相手を思えるというのも由奈ちゃんのいいところです。話が進むにつれて由奈ちゃんの内面も変わっていきます。

衣装も、前半はわざと大きめの制服で着せられている感を出して子どもっぽい感じを出していますが、後半では成長した姿を現すためにジャストサイズの制服にするなど、声だけでなく三木監督と一緒に細かなところまでこだわって由奈ちゃんを作り上げました。

──実際の福本さんと由奈は性格も全然違いますか?

由奈ちゃんは恋愛に対して夢見がちだけど、私はリアリストで客観的に見ますね。性格も、北村さんに「サバサバ砂漠だね」って言われたくらいですから(笑)。女子校出身っていうのも、サバサバ砂漠につながっているのかもしれません。

でも、内気で自分とは全然違う性格だからこそ役として演じやすかったかもしれません。普段の福本莉子らしくやって言われたほうが逆に役を作れなくて難しいと思います。

──なるほど。それにしたも、北村さんは上手いこと言いますね。撮影を通じて、いい関係を築かれたのがわかります。

2人とも音楽が好きなので音楽について話すことが多かったのですが、北村さんはすごく博識で雑学王でもあるんですよ。「虹は宇宙からみたら円になっているんだよ」、「サメの子どもはお母さんのお腹の中で戦って、勝ったやつだけが生まれてくるんだよ」とか、撮影中にいろいろ教えてくれました。

聞いたときは「へ~!」って思っていたのですが、今振りかえってみるとどんな内容だったのか・・・(笑)。

「どんなポジションでも輝ける女優に」

──北村さんが雑学王だなんて全然知りませんでした! ほかに印象に残っていることはありますか?

映画の後半に図書館のシーンがあるのですが、役と自分の歩幅が合わなくて何度かやり直しをしたんです。そうしたら、「あのシーン、心に響いたよ」ってメールをくださったんで、すごくマメな方だなぁ・・・と。

──優しさにときめくのではなく、マメさに驚かれたのですね(笑)。

もちろん、優しいなぁって! うれしいと同時に、マメだなぁ、丁寧だなぁって。幼馴染役を演じた赤楚さんは、一番年上でお兄さんなのですが、4人で集まるといじられキャラだし天然で。ピュアさが役とリンクしていて素敵な方だなと思いました。

──浜辺さんは事務所の先輩なんですよね。

そうです。浜辺さんとは4度目の共演になるのですが、『思い、思われ、ふり、ふられ』は私にとって今までで一番チャレンジした作品で、実は不安も結構ありました。だから、浜辺さんが一緒というのは心強かったですね。

──神戸でロケをされていたそうですが、キャスト同士でどこかに出かけたりしましたか?

浜辺さんとは三宮の「ミント神戸」に映画を行きましたよ。2人とも気になっていた『名探偵コナン』を観ました。スケジュールがなかなか合わなかったのですが、キャスト4人と監督とで焼肉も食べに行ったのも良い思い出です。

──福本さんは大阪・池田市のご出身ですよね。東京暮らしはいかがですか?

東京は人が多いですね。大阪に住んで週末だけ仕事で東京に行く生活をしているときは大丈夫だったのですが、いざ住むとなると寂しく感じて。東京はこんなに人がいるのに、私はひとりな気がして。話し相手もいないから、大阪の友達によく電話をしていましたね。

新型コロナウイルスの影響で自粛している間は、普段の自炊では出来ないものを作ろうと、1時間くらいすね肉を煮込んでビーフシチューを作りました。すっごくおいしくできて満足です。ガパオライスや餃子なんかも作りましたよ。

──すごいいろんな料理に挑戦されたんですね! ここ数年で女優としてどんどん成長されている福本さんですが、努力されていることや今後の目標はありますか?

できる限り映画やドラマを見るようにしています。役の種類って本当にたくさんありますが、監督が「この作品のあの役っぽい感じ」と話したときに、すぐ理解できるような引き出しを作っておきたいんです。

もっといろんな作品に出て、常にいろんな役に挑戦していきたいと思っています。私の目標は、どんなポジションでも輝ける女優さん。見た人の心に引っかかる、気になる存在でいられたらなと思います。振り切ったコメディもできるし、シリアスな役も演じられる長澤まさみさんは憧れの存在ですね。

(Lmaga.jp)

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