奈良のお土産物店が、大量に返品された観光みやげ菓子を救済…その手があったか!

緊急事態宣言により外出自粛まっただなかの頃、ある奈良県のお土産物店のSNSアカウントが注目を集めた。

「#奈良のお土産を助けてください」のツイートを発信した『西の京みやげ処きとら』(奈良県奈良市)。このツイートには1.1万のリツイートがあった。

ことの起こりは、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、4月中旬から県内のお土産物店が多数休業したことに始まる。仕入れ条件にもよるが、食品関係のお土産類は問屋卸業者やメーカーに返品できるため、多くの業者が大量返品された在庫をどうするかで、頭を抱えていた。

「このままでは廃棄処分しかない」という状況のなか、SNSで『西の京みやげ処きとら』が4月に自店舗の商品を返品せず「半額セール」を告知し、売り切ったという実績が密かに注目を集めていた。

そのことから、同店に行き場を失ったお土産を助けて欲しいとの依頼が業者から次々と舞い込み、上記のツイートに繋がる。

実は、依頼を受けた時点で、すでに県からの要請により店舗を休業していた同店。しかし、長年にわたり通販もやってきたノウハウをいかし、ハッシュタグとともに、「希望金額を客が設定し商品はおまかせ(送料・手数料別途)」という形で発信。これがツイッターで爆発的に拡散され、注文が殺到した。

当時のことを店主の木寅伸一さんは、「ものすごい反響があり、毎朝3時起きの休み無しで伝票をチェックしました」と振り返る。全国から届く注文のなかには、「奈良に行く予定だったが新型コロナで行けなくなくってしまったから」という声が多数あった。そこで、木寅さんは「少しでも奈良を思い出してもらえたら」と注文金額に関係なく、すべての客に対し「奈良の絵ハガキ」を商品と一緒に送ったという。

購入者からは「コロナがおさまったら、奈良に遊びに行きます!」「子供が大喜びでした!」「自粛期間はこのお菓子のおかげて乗り切れそうです!」などの心温まるメッセージが寄せられ、なかには送った絵ハガキでお礼状を返送してきた人も。

木寅さん夫婦やスタッフ、メーカーや業者が一丸となって頑張った甲斐があり、大量に運び込まれた菓子類はほぼ売り切れた。「少しでもフードロスに貢献できたかな。誰もが大変な時だから、奈良へはあわてて来てもらわんでも、ぼちぼち来てな」と木寅さん。同店は6月17日から営業時間を短縮して再開する。

取材/いずみゆか

(Lmaga.jp)

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