江戸時代の猿描き名人「狙仙三兄弟」登場、上方のゆるかわ動物画が一堂に

江戸時代の大坂を代表する画家のひとり、森狙仙(もりそせん・1747?~1821)。彼と2人の兄の作品を中心とした展覧会『猿描き狙仙三兄弟』が、2月26日から「大阪歴史博物館」(大阪市中央区)でおこなわれる。

「猿描き狙仙」と呼ばれるほど猿の絵が得意だった狙仙。特に獣毛のモフモフ感を再現したリアルな描写は見事で、現在でも高く評価されている。彼には2人の兄、陽信(1736?~1808?)と周峰(1738~1823)がおり、当時は著名な画家だった。

彼らの作品は狩野派の描法を受け継ぐアカデミックなものだが、時には見る者を微笑ませる愉快な作品も描いている。また狙仙と同時代には、鶏を得意とした伊藤若冲、虎の絵で知られる岸駒、蛙の松本奉時、戯画の耳鳥斎など一芸に秀でた絵師がおり、いずれも上方で活躍していた。

本展では、狙仙三兄弟を中心に、狙仙の子孫である徹山、一鳳や寛斎、先に紹介した若冲、岸駒、奉時、耳鳥斎などの作品約100点を展覧。上方の動物画をまとめて観られる貴重な機会となる。また、狙仙三兄弟をまとめて取り上げた展覧会は過去に例がなく、その意味でも貴重だ。会期は4月5日まで、料金は大人1000円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

関西最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス