フンやゴキブリになりたいか!? 伊丹市昆虫館の顔出しパネルが話題

穴から顔を出して記念撮影をするフォトスポット、顔出しパネル。「伊丹市昆虫館」(兵庫県伊丹市)のパネルが「君もう○こになろう!」とSNSで話題に。それを上回る強烈なパネルがあると聞いて行ってみた。

フンコロガシが転がすフンになれちゃう顔出しパネルは、「企画展『アルマス~ファーブル先生の秘密基地~』にあわせてつくりました。本来なら虫の顔に穴をあけるんだけど、フンから顔を出した方がおもしろいなと思って」と館長の奥山清市さんが説明する。ちなみに同館では「顔ハメ」と呼ぶ。

なかでも強烈な顔ハメと話題になっているのが、出たら悲鳴をあげずにいられない「クロゴキブリ」のパネルだ。これをつくった館長に話を聞いた。

──クロゴキブリって…家に出るような、あのゴキブリですか?

そうです。さすがにゴキブリはやり過ぎじゃないか? ?かわいいイラストの方がいいんじゃないかという話もあったんですが、本物を知ってもらいたいと常々考えていますから、徹底的にやろうよと。幼虫や卵が入っているカプセルも描いています。ゴキブリ展をするたびにつくり直してこれは3代目です。

ゴキブリってバイキンみたいに言われますけど、ゴキブリ自体はバイキンを持っていないんです。冷蔵庫のうしろとかどこでも行くから、ホコリなどがついて不衛生になる。ゴキブリは熱帯亜熱帯の森に住んでいるおとなしい生き物です。全体の1%にも満たないクロゴキブリみたいなゴキブリのせいで、そのほか大多数のゴキブリのイメージが悪くなっています。

──きれいな場所にいればゴキブリはきれいなんですね…そうはいっても、やはり悲鳴をあげちゃいます。

悲鳴も含めて反応があるのはうれしいです。虫に興味を持ってもらうのが一番大切だと思っていますから。

クロゴキブリのパネルは通常は通らない場所に置いてあるのですが、見つけた方がキャーキャー騒ぐので、「実は隠れた人気スポットなんですよ」と話しかけたりしています。クロゴキブリについて雑談すると案外よろこばれます。

──どうして顔出しパネルをつくるようになったのでしょうか?

顔ハメがいいなと思うのは、ここに顔をはめるというのが説明しなくてもすぐわかることです。スマホで写真がパッと撮れて、グッズを買わなくても思い出や楽しかった話を持って帰れます。写真を見ればどこに行ったかすぐにわかりますし。

同館では2003年の特別展から顔出しパネルをつくりだし、すでに30点以上を制作。最初は木でつくっていたが、現在はダンボール製でイベントなどにも持っていけるように工夫されている。さらに穴の大きさも試行錯誤の末に、大人も子どももこのサイズが一番!という最適解を導き出した。

──なるほど。ほかに「顔までちゃんと作られててかわいい」とSNSで話題になっているイモムシベンチも、徹底的にリアルにこだわっていますね。

イモムシベンチは、虫さされの薬「ムヒ」をつくっている製薬会社「池田模範堂」(富山県中新川郡)さんから寄贈されたものです。ー緒に写真が撮れて、虫の姿や特徴がわかるようなリアルで巨大なものという希望でつくってもらいました。本物のイモムシの約30倍のサイズです。「前脚6本が本当の脚で、後ろの10本は腹脚と言って幼虫の時だけの脚だよ」とか、「目のように見えるところは目ではなくてココに目があるんだよ」とか、座るだけでなく解説もできます。

◇ ◇

顔出しパネルの展示は入れ替えがあり、企画展『アルマス~ファーブル先生の秘密基地~』が終わると変更される。「55歳から昆虫記をまとめたファーブルの生きざまを知ってほしい」と館長の奥山さん。もちろん同館では、本物の昆虫たちもたくさん観察できる。会期は2020年1月27日まで。入館料は大人400円、中高生200円、3歳~小学生100円。

取材・写真/太田浩子

(Lmaga.jp)

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