星組新トップスター・礼真琴の主演作開幕。ロックな楽曲歌い込み最高の船出

宝塚歌劇団星組の新トップスター・礼 真琴(れい・まこと)と、新トップ娘役・舞空 瞳(まいそら・ひとみ)のプレお披露目となる『ロックオペラ モーツァルト』が、「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で11月20日に開幕。歌・ダンス・芝居の3拍子揃った実力派トップコンビを中心に観客を興奮の渦に巻き込み、最高の船出となった。

本作は天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの半生をロックでつづったフランス発の大ヒット作。2013年日本初演のエッジの効いた舞台も記憶に新しいが、今回の宝塚版はベテラン演出家・石田昌也の手腕で、家族や夫婦の絆がより伝わってくる。

いよいよ大舞台のセンターに立った礼は、破天荒な若きモーツァルトの登場場面から「さぁ自分の力を試すとき~」と迫力のロングトーン。その歌声には、音符を自在に操るモーツァルトの遊び心のようなものまでが宿り、見事に役と一体化。男役としては驚異の高音を披露、愛する人の死に打ちのめされる様をダンスで表現する場面も圧巻だった。

宮廷音楽家サリエリ役の専科・凪七瑠海(なぎな・るうみ)は、黒で統一したスタイリッシュな衣装が似合い、パワフルな歌唱がますます冴える。コンスタンツェ役の舞空は、最初モーツァルトに片思いする様が愛らしく、夫婦になってからは献身的な愛を自然ににじませる。ソロナンバーや、恋敵の姉・アロイジア(小桜ほのか)とのデュエットで美声も聴かせた。

ほかにも、コミカルなセンスを発揮した紫藤りゅう、華やかな存在感の極美 慎など男役陣の活躍とともに、個々のキャラクターを魅力的に演じた娘役たちの充実ぶりも目立っていた。

『1789』『CASANOVA』など宝塚と縁のあるドーヴ・アチア氏らが手掛けた音楽はドラマティックで、劇場の熱量はいやがうえにも上がっていく。初日にはドーヴ氏も駆け付け、客席から出演者に温かい拍手を送った。

トップスターとして初の舞台挨拶に臨んだ礼は、「今日から新しい星組のスタートです。星組を愛してくださるみなさまのもと、全力で暴れたいです!」と明るい表情ながら、「1幕が終わって客席がシーンとなり、実は不安になりました」と本音も吐露。が、実際はパフォーマンスの迫力ゆえ一瞬静まり返っていたのだった。

また、礼は「2幕で(客席降りがあり)みなさまの笑顔を拝見し、勇気をもらいました」と初々しく語り、2度、3度と続くカーテンコールで役柄同様、舞台上を駆け抜け感謝の気持ちを爆発させた。

大阪公演は11月27日まで。その後、「東京建物 Brillia HALL」(東京都豊島区)のこけら落としシリーズとして、12月3日~15日まで上演。チケットは完売。

取材・文/小野寺亜紀

(Lmaga.jp)

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