奈良・生駒に生まれた陶芸家の巨匠・富本憲吉の回顧展

奈良が生んだ日本近代陶芸の巨匠・富本憲吉(1886~1963)。展覧会『富本憲吉入門-なぜ彼は日本近代陶芸の巨匠なのか』が、「奈良県立美術館」(奈良市登大路町)で6月29日から始まる。

富本憲吉は奈良県生駒郡安堵村(現・安堵町)に生まれた。実家は大地主で、幼少期から絵画をたしなみ、東京美術学校では建築と室内装飾を専攻している。しかし、卒業前に留学したロンドンでアーツ&クラフツ運動を知り、帰国後に知り合ったバーナード・リーチが楽焼を始めた影響もあって陶芸へと転身する。

故郷の奈良で楽焼や白磁を制作した後、東京に移り、白磁、染付、色絵磁器を制作。第2次大戦後は京都に移り、色絵に金銀を組み合わせた独自の作陶様式を確立した。また日用品の制作と量産の試みといった課題にも果敢に取り組んでいる。

本展では全5章で彼の陶芸家人生を振り返る。同館の代表的な所蔵品はもちろん、初公開の新収蔵品や寄託品も含まれており、富本憲吉と彼が生きた時代を振りかえる格好の機会だ。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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