京都国立博物館で、池大雅85年ぶりの大回顧展

江戸時代中期の京都で活躍した画家、池大雅(1723~1776)。与謝蕪村と共に「南画の大成者」とされる彼の画業を展観する回顧展が、「京都国立博物館」(京都市東山区)で4月7日から開催されます。

池大雅は京都銀座の下級役人だった父のもとに生まれました。幼い頃に父を亡くし困窮しましたが、7歳で書を始めるとたちまち才能を発揮し、「神童」と称されています。15歳になると扇屋を開いて生計を立て、中国から伝わった画譜や室町絵画、琳派、西洋画の表現を取り入れて独自の画風を築きました。ちなみに彼が大成したという「南画」とは、中国南宋画に日本的な解釈を加えて発展させた絵画スタイルで、文人精神への憧れが強いことから「文人画」とも呼ばれます。

本展では、初期から晩年に至る代表作約150件が一堂に会します。これだけの規模の「池大雅展」は昭和8年(1933)に「恩賜京都博物館」(現在の京都国立博物館)でおこなわれて以来であり、85年ぶりの大回顧展となります。また、本人の人間的魅力や交友関係、日本各地を旅した経験に基づく風景表現なども見所であり、池大雅、そして江戸時代の南画の魅力を知る絶好のチャンスとなるでしょう。

文/小吹隆文(美術ライター)

 

(Lmaga.jp)

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