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轟悠主演、美しき宝塚版『ドクトル・ジバゴ』開幕

ロシアの作家ボリス・パステルナークの小説を、ミュージカル化した宝塚歌劇星組公演『ドクトル・ジバゴ』が、「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)で2月4日開幕。どこまでも続く雪原のように美しい舞台が誕生した。

1965年の映画版がヒット、ブロードウェイでも舞台化された原作は、20世紀初頭、民衆が声を上げ貴族社会が崩壊する動乱期のロシアで、懸命に生きる人々を様々な立場から描いた大河ロマン。その壮大な世界が、悠久の大地を感じさせるセットやどこかノスタルジックな音楽とともに劇空間に立ち現れた。

詩人で医者のユーリイ・アンドレーヴィチ・ジバゴ(ユーリ)を演じるのは轟悠(とどろきゆう)。轟は、特定の組に属さず、実力を活かして各組に特別出演する専科の一員。時代に翻弄されながら、貴族や医者としての誇りを胸に、ひたすら前を向いて生きる男を自然体で演じ切った。妻トーニャを慈しみつつ、運命的に出会ったラーラへの愛を求める複雑な心情も、ユーリの純粋な目を見れば思わず納得してしまう。

ユーリと惹かれ合う洋裁工房の娘ラーラを演じるのは有沙瞳(ありさひとみ)。男性を虜にする美しさゆえに哀しみも背負うヒロインを、強さと柔らかさを織り交ぜて好演した。小桜ほのかが演じる妻トーニャの、母性さえ感じる存在感も貴重。

さらにパーシャを演じた新進男役の瀬央ゆりあは、ピュアな愛をラーラに注ぐ前半から一転、赤軍派の将軍として反対分子を排除していく後半の鬼気迫る演技が圧巻。時代のうねりのなかで繊細な心が傷ついていく様が胸に迫った。

革命の燃えたぎるような熱、降りしきる雪の中に浮かび上がる孤独--。観る者の体感温度まで変えるような演者たちのリアルな演技に、細部まで詩情溢れる演出が施され、深い余韻が残る。

取材・文/小野寺亜紀

(Lmaga.jp)

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