日本現代演劇の転機と呼ばれた名作 京都で再演

イラク戦争が開戦した2003年3月の東京を描いた舞台『三月の5日間』が、1月30日から「ロームシアター京都 ノースホール」(京都市左京区)で上演。「日本現代演劇の転機」とも評され、2005年に岸田國士戯曲賞を受賞した本作が、作者・岡田利規の手で再創造される。

本作は、脚本・演出を手掛ける岡田が主宰する演劇カンパニー・チェルフィッチュによるもの。社会事象やそこで起こる問題を創作の源とし、軽い話し言葉と、そこから引き出される無意識的な身体の動きとの関係性が特異だ。本作では、舞台上でとめどなく若者言葉を発し、「演じる」のではなく、観客に「説明する」という手法で、より私たちの想像をかき立てる。

アメリカ軍がイラクを空爆して始まったイラク戦争。その時期に、渋谷のホテルに5日間だらだらと滞在するカップルや、何となく反戦デモに参加する若者を通して、当時の日本の空気感と、戦争との距離感を本作では絶妙に表現している。「リアル感のない戦争という日常」は、混沌とした今の時代、また違った感触で迫ってくるに違いない。世界30都市以上で上演してきた本舞台。神奈川・北京・愛知公演を経ての京都公演は、1月30日から2月4日まで。チケットは3500円ほか、各プレイガイドで発売中。

文/小野寺亜紀

(Lmaga.jp)

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