ISPS HANDA・ヤーマン&ストゥービオーナーズ杯開催!エリス、バリントンなどが熱戦
一般社団法人 国際スポーツ振興協会(ISPS)が主催するゴルフトーナメント大会「ISPS HANDA・ヤーマン&ストゥービ オーナーズカップ」(共催は株式会社・ミスズ、賞金総額3000万円)が、4月16、17日に神奈川県箱根町の箱根湖畔GCで開催された。1日完結の2日間競技に国内外から大物プロが続々と集結する中、プロ、アマの個人戦に加え、プロ&アマ混成によるチーム戦というユニークな試合形式で熱戦が繰り広げられた。プロの部は1日目(16日)が11アンダーのリー・ウエストウッド(44)が優勝、2日目(17日)は、10アンダーでトービヨン・オルセン(28)が優勝。それぞれ優勝賞金300万円を手にした。
世界を舞台に42勝を挙げてきたリー・ウエストウッドも、こんな優勝セレモニーは初めてだっただろう。
優勝者の証しであるグリーンの羽織を半田晴久会長(67)から肩に掛けられた後、今大会の優勝賞品の目玉である兜(かぶと)が目の前に登場した。なかなか見ることができない戦国武将の装い。それだけでも驚きだったが、それを半田会長から頭にかぶせてもらい会場から大きな拍手が湧き起こると、この日一番の笑みを浮かべた。
9バーディー。1イーグルの11アンダーで1日目・プロの部を圧勝。半田会長、ニュージーランド元首相のジョン・キー氏との豪華な組み合わせでのラウンドで出した結果に、ウエストウッドは「こんなに素晴らしいスコアが達成できたのは、パートナーが良かったから。楽しませていただいた」と紳士らしくあいさつした。
さらに半田会長が祝福とばかりにアイルランド民謡の「ダニー・ボーイ」をアカペラで独唱して締めくくり。半田イベントではおなじみのサンバ隊の見送りと、最後まで楽しみが満載だった。
「スポーツの振興を通して、社会福祉活動および国際協力の活動を行う」。そんなISPSの活動理念のもとで開催された今大会。メジャーツアー大会ばりに世界中から過去最大級の豪華メンバーが勢ぞろいした。
世界ランキング1位に輝いたメジャー4勝のアーニー・エルス(48)は10年ぶりの来日。リー・ウエストウッド。メジャー3勝のパドレイグ・ハリントン(46)。ほかにもトービヨン・オルセン、ラファエル・カブレラ・ベロ(33)そしてミンジー・リー(21)。レジェンドそして世界を舞台にバリバリに活躍する猛者ばかりだ。
迎え撃つ日本勢も尾崎将司(71)、尾崎健夫(64)、尾崎直道(61)と「尾崎三兄弟」のそろい踏み。ほかにも井戸木鴻樹(56)といったレジェンドに加え、谷原秀人(39)、甲斐慎太郎(36)、酒井美紀(26)。
ゴルフ界以外からも元ニュージーランド首相のジョン・キー氏(56)、元アイルランド首相のエンダ・ケニー氏(66)も参加。まさにゴルフを通じた社会貢献の社交場だった。
これだけのメンバーが集うのも、ISPS・半田晴久会長(67)の長年の社会貢献活動の功績が大きい。30年前の1988年に日本で最初のブラインドゴルフ協会を設立。障害者ゴルフの発展に携わってきた。それ以外にもゴルフを通じた社会貢献を目指し、世界各地でトーナメントやシニア大会、ジュニア育成など幅広い世代を支援。そんな姿勢に多くのスタープレーヤーも共感した。もちろん、半田会長の歌って踊るというユニークな姿もまた魅力だった。
ウエストウッドは「半田さんはゴルフを通じて恵まれない人に手をさしのべている」と言い、ハリントンも「半田会長を非常に尊敬している」と敬意を表する。今回参加した豪華外国人選手は全員が「ISPSアンバサダー」である。より深いパートナー関係を構築しているが、チャリティー活動への関心から、自ら参加したエルスは「過去にできなかったこともあるが、もっとチャリティーを頑張りたい」と、今後の活動にも意欲をみせた。
海外だけでない。日本でも今回は尾崎三兄弟が久々に集結した。特に直道は、このほどISPSと専属プロ契約を結んだ。60歳を過ぎて、初めての専属契約で「昨年秋から腰が悪かったけど、だいぶよくなってきた。今年は所属が決まったので、ISPSの名前を上げる」と今季の活躍に意気込む。
日本の期待を背負い、世界相手に戦ってきた3人。半田会長も「三兄弟がそろうだけでプラス。花札なら『猪鹿蝶』。点がプラスになるよ」と、3人による相乗効果を期待する。
今回が3回目の開催となったこのトーナメント。次回、11月5、6日に開催する第4回から「ISPS HANDA HANDA Watch World カップ」に名称を変え、さらにスケールアップする。今後も、春秋の年2回ペースで開催予定。半田会長は「春は男子、秋は女子のプロ中心。11月はミッシェル・ウィーも来る」と予告した。
初心者も多く参加するこの大会。ゴルフ人口が減っている中で、底辺拡大にも貢献している貴重な機会。「『ラグジュアリーとスポーツ』。楽しいお祭りでそんな文化を自分で創っていこうと思う。小さな規模でも、新しい挑戦でクリエーティブに」と半田会長。スポーツ、芸術、そして福祉。そんな複合的な創造を通じ「人の輪、縁が広がり、楽しみ喜び、感激に変わっていけばいい」と今後も奮闘していく。