高松商17年ぶり聖地へ“厳寒滝修行”

 春25回、夏19回の甲子園出場で4度の全国制覇を誇る高松商が、1996年夏以来、17年ぶりの聖地へ気合満々だ。昨秋は香川大会で準優勝し、四国大会に出場。今春は初戦で敗れたものの、エース・谷口諒投手(3年)、主将・黒原佑太捕手(3年)のバッテリーを中心に戦力は充実している。昨年末、滝に打たれながら誓った目標に向け、名門チームは大きく成長を遂げた。

 名門・高松商の今年のチームスローガンは「耐勝」。学校グラウンドのベンチ内に高らかに掲げた2文字の意味を、黒坂季央監督は「昨年はあと1勝が壁になった。それを破るためには、耐えることが必要なんです」と熱っぽく説明した。

 収穫と反省があった昨秋の香川大会。決勝に駒を進めたが、勝負どころでタイムリーが出ず英明に0‐2で敗れた。指揮官は精神力強化の必要性を痛感。思案の末、愛媛・西条市にある滝修行で有名な61番札所「香園寺」を訪れることにしたという。

 冷たい雨が降り続いた12月26日。部員全員が1人1分間、滝に打たれた。そしてガクガク震えながら2013年の目標を宣言。黒原主将は「甲子園に行く!」。2年生の末包(すえかね)昇大三塁手は「もっとホームランを打つ!」。黒坂監督も急きょ参加し「甲子園に連れて行ってくれ~!」と絶叫した。

 「冷たくて息が苦しくて…。でも耐え抜いたことで達成感があった」。黒原主将は笑顔で振り返った。

 目標達成に向けてナインは冬場、体重アップと筋力強化に取り組んだ。女子マネジャーが米を炊き練習前、1人2個をノルマにおにぎりを食べた。徹底的にバットを振り込み、スイング速度が増した。

 エース・谷口が3月に右肩を痛め戦線離脱し、春の香川大会は初戦で敗れた。それでも「谷口は復帰してから成長した。甲子園を狙えるチャンスは十分にある」と黒坂監督。心も体もたくましくなった名門が、17年ぶりの甲子園へ突き進む。

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