済美・安楽、延長十三回232球の熱投!

 「センバツ・2回戦、済美4-3広陵」(26日、甲子園)

 済美が延長13回の激闘の末、4‐3で広陵にサヨナラ勝ちし、愛媛県勢では09年夏以来の初戦突破を果たした。2年生エースの“四国の怪物”安楽智大は、自己最速タイで大会歴代2位タイの152キロをマーク。13回232球を投げ抜き、甲子園初マウンドを勝利で飾った。広陵のエース・下石涼太(3年)は、219球の熱投も報われなかった。

 怪物が聖地に衝撃を与え、冷や汗をかき、最後に笑った。延長十三回1死満塁。一塁を強襲した8番・金子の一打で三走の太田が生還。232球の激投が報われた安楽はその瞬間、ベンチを飛び出し喜びを爆発させた。

 「正直言ってヒヤヒヤでした。みんなでつかんだ勝利。球速が出たことより、勝てたことがうれしいです」

 160キロ到達を夢見る2年生右腕の甲子園デビュー戦。いきなり観客の度肝を抜いた。初回、先頭打者に投じた初球は148キロ。5球目には、新2年生で初の大台到達となる150キロをマークした。

 さらに4番打者への4球目、空振り三振に打ち取った直球は自己最速タイの152キロ。三回にも再び152キロを出した。「この寒さの中で出たのは自信になる」。大阪桐蔭・藤浪(現阪神)が昨年記録した153キロに次ぐ、センバツ歴代2位タイの剛速球だった。

 脆(もろ)さもさらけ出した。3点リードの九回。球威が落ちた直球を狙われて3点を失い、完封目前でまさかの延長戦突入。最終回に3点差をひっくり返されてサヨナラ負けした、昨秋の四国大会準決勝・鳴門戦の悪夢がよみがえった。

 「チームのだれもが鳴門戦のことを考えた。ヤバいと思った」。克服すべき課題は残った。それでも十回無死満塁などのピンチをしのぎ切って成長を裏付けた232球。

 150キロ台を5球マークし、六回には右翼フェンス直撃の先制2点二塁打と、投打で魅せた怪物は済々黌と激突する次戦へ「肩のスタミナには自信がある。次も絶対勝ちたい」と不敵な笑みで疲労を否定した。四国から甲子園に舞台を移し、安楽伝説が劇的に幕を開けた。

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