痛恨失策…敗戦責任背負った済美・藤原

 「センバツ・決勝、浦和学院17‐1済美」(3日、甲子園)

 あふれ出る涙に何度も声を詰まらせた。1‐1の五回2死二塁で一塁ゴロをエラー。チェンジのはずが一転、ピンチが続いた安楽は5連打を浴びるなど、この回7失点。「自分のミスでチームは負けてしまった。安楽には本当に申し訳ないことをした」。済美・藤原弘気内野手(3年)は、1人で敗戦の責任を背負い込んだ。

 1歳下の安楽とは同じ松山市の出身ということもあって中学時代から知り合いで、済美に入ってからも、ことあるごとに相談に乗ってきた。人なつっこい笑顔と明るく気さくな性格の藤原は、安楽にとっては先輩というよりも頼りになる兄貴のような存在だった。

 今大会、藤原は初戦の広陵戦で試合前ノックの時に送球を右耳に当てて先発から外れた。試合は息詰まる投手戦に。四回のピンチでは伝令でマウンドへ走り、こわばった安楽のほおを軽くたたいて「笑顔、笑顔」と声をかけた。準決勝の高知戦の朝も、緊張気味の安楽に「お前のために点を取るから安心して投げろ」と勇気づけた。4連続完投の裏には、いつも藤原の励ましがあった。

 決勝戦。先発出場した藤原は二回に先制点につながる送りバントを決めると、四回には左翼へ甲子園初安打となる二塁打を放った。しかし、安楽とともに目指した全国制覇を夢は、思わぬ形で暗転した。「守備を鍛え直して、夏にもう1度ここに来たい。きょうの借りを返します」。涙をぬぐって絞り出した言葉に強い決意をにじませた。

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