広陵九回に意地!済美・安楽追い詰めた

 「センバツ・2回戦、済美4-3広陵」(26日、甲子園)

 3年ぶり23度目の甲子園出場の広陵は、今大会初となる延長戦の末、3‐4で済美にサヨナラ負けを喫した。0‐3の九回に最速152キロで今大会屈指の右腕・安楽智大投手(2年)を攻略し同点に追い付いた。しかし、延長十回無死満塁の好機を生かせず、同十三回に力尽きた。春の“広陵桜”は初戦で散ったが、粘りの野球で全国に感動を与えた。

 サヨナラの走者が本塁を駆け抜けた。喜びに沸く済美ナインを横目に、広陵ナインはガックリと肩を落とした。3‐3で迎えた延長十三回1死満塁。一ゴロ併殺かと思われた打球を前進守備の一塁手坂田がファンブル(記録は適時内野安打)し、3時間11分の激闘に幕が下ろされた。

 中井監督は「どちらに転んでもおかしくない試合だった」と惜敗に悔しさを募らせた。3年ぶりの聖地は初戦敗退となったが、全国の高校野球ファンに広陵の粘り強さを印象づけた。

 大会屈指の本格派右腕の前に八回までゼロ行進。敗戦まであとアウト3つのところまで追い込まれながら踏みとどまった。

 3点を追う九回。先頭の太田が中前打で出塁すると、市岡も左前打で続き無死一、二塁。ここで代打川瀬が「球威は落ちていた。思い切っていった」と安楽の直球に体勢を崩しながらミートし、打球は左中間を突破した。2点適時三塁打で1点差に詰め寄り、さらに塩崎が起死回生の左犠飛。電光石火の攻撃で一気に同点に追い付いた。

 済美との対戦が決まって以降、中井監督は「接戦になる」と安楽攻略は至難と認めていた。予想通り、八回まで放った安打はわずか2本。自己最速タイの152キロを計測するなど、剛速球を軸に投げ込む右腕の前に好機すらつくることはできなかった。だが、センバツ3度の優勝を誇る広陵の執念が九回の攻撃となった。

 延長十回の無死満塁の勝ち越し機を逸し敗れたが、中井監督は「最後まで粘ってつないだ。選手は意地をみせてくれた」と労をねぎらった。

 指揮官が常々、選手に言い聞かせている言葉がある。「伝統校は負けた数だし、そこから立ち上がってこそ伝統校だ」‐。九回にみせた執念は、必ず次へとつながる。センバツの黒星を夏に戦う原動力に変え、広陵が再び甲子園に帰ってくる。

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