上甲監督、愛媛勢久々勝利に「ほっ!」

 「センバツ・2回戦、済美4-3広陵」(26日、甲子園)

 9年ぶり出場の済美が劇的なサヨナラ勝ちで初戦を突破した。延長十三回、1死満塁から8番・金子昂平捕手(3年)の一塁内野安打で決勝点を挙げた。上甲正典監督(65)にとっては、福井優也(現広島)を擁した05年夏以来の甲子園勝利となった。次戦は大会第9日の第2試合で済々黌と対戦する。

 代名詞の“上甲スマイル”が聖地に復活した。延長13回、3時間11分の激闘を制した。試合後の上甲監督は「勝ててよかった。弱気にならず、向かっていったことがいい結果につながった」と最高の笑みを浮かべた。

 上甲監督にとって05年夏以来の甲子園通算21勝目。県勢としても09年夏、西条が挙げた1勝を最後に4連敗中だった負の連鎖を断ち切った。「以前は『野球王国愛媛』と言われた。それが愛媛代表が甲子園で勝てなかった。本当にほっとしています」。指揮官は心から勝利の味をかみしめた。

 08年夏以降は甲子園にすら届かなかった。昨秋、指揮官の意向でユニホームを変更。白地に『SAIBI』のデザインは不変だが、マーキングを軽量型の昇華プリントから刺しゅうタイプに戻した。全国制覇した栄光のユニホームで四国大会4強入りし、5年ぶり甲子園切符を手中にした。

 今大会はプロ注目の安楽を擁して挑んでいるだけに周囲の期待は大きい。1試合で松山に帰るわけにはいかなかった。3日前の練習から選手に「絶対に負けられないからな」と強烈なゲキを飛ばし、自らにもプレッシャーをかけてきた。

 強豪の広陵に競り勝ったベテラン監督は「『やればできる』じゃないが、ありがとうと言いたい。選手の自信になる」と教え子の健闘をたたえた。もちろん1勝が目標ではない。春は聖地で負け知らずの済美。攻めの姿勢で9年ぶり2度目の頂点をうかがう。

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