【ボート】遠藤エミ女子初SG戴冠 70年の歴史に新たな1ページ、GP出場へ大前進 

 ボートレースクラシック優勝戦を制し、優勝カップを手にVサインを見せる遠藤エミ(撮影・北村雅宏)
 水神祭で仲間たちに投げ込まれようとする遠藤エミ(中央)
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 「ボートレースクラシック・SG」(21日、大村)

 女子初のSGウイナーがついに誕生した。優勝戦1号艇を勝ち取った遠藤エミ(34)=滋賀・102期・A1=がインからコンマ07の快スタートを決めて逃げ切り。男子の強豪を撃破して女子レーサーとしては初のSG優勝を果たした。過去には寺田千恵(岡山)、横西奏恵(引退)がSG優勝戦に乗りながらも手にできなかった頂点。令和の女王がボートレース発祥地の大村で歴史を塗り替えた。

 雨が降りしきる大村の夜にボートレースの歴史が変わった。遠藤が強豪男子レーサーを後続に従えて先頭でゴールラインを駆け抜けた瞬間、女子史上初のSG制覇が現実のものになった。

 最低体重の差はあるが、その他は男女全く同じルールで戦うボートレース。これまでは男子のパワーとスピードに圧倒されてきたが、近年は遠藤をはじめ男子と対等に戦える選手が出てきた。人気先行と呼ばれた時期もあったが、着実に力の差は縮まっている。

 今節もシリーズ序盤から男子を圧倒した。注目エンジンの68号機を引き当てると、予選では3勝を挙げる走りで女子初のSG予選トップ通過を果たして準優勝戦、優勝戦と1番人気に応える圧巻の走りだった。

 普段は淡々としている彼女でも優勝戦当日は緊張を隠せなかった。「準優の日は朝から吐きそうになったし、優勝戦の前夜は寝られませんでした。朝も準優の倍くらい吐きそうだった。これがSGの優勝戦1号艇のプレッシャーなんですね。でも自分がミスしなければ大丈夫。その状況から逃げないようにした」と強い気持ちで臨んだ結果が最高のものになった。

 SGウイナーの称号を得た遠藤。「去年から悔しい思いをいっぱいしてきたし、自分がSGを獲ると言える覚悟が足りないと思っていた。今はそこに取り組んでいこうと思っていたところで今回の優勝はたまたまです。もっともっとうまくなりたいし、強くなりたい」と浮かれることなく気を引き締めた。

 年末には今回と同じ大村で年間の獲得賞金上位18人が優勝賞金1億円を懸けて戦うSG・グランプリ(12月13~18日)が行われる。女子でこの舞台に駒を進めた選手はまだいないが、今回の優勝で大きく前進した。「大村はいろいろな経験をさせてもらっているし、相性はいい」と見据える夢舞台。今度は女子初のグランプリ出場。そして女子初の賞金王を目指して突き進んで行く。

 ◆遠藤エミ(えんどう・えみ)1988年2月19日生まれ、34歳。滋賀県出身。102期生として、やまと学校(現ボートレーサー養成所)に入学。08年5月びわこタイトル戦でデビュー。初優勝は12年11月鳴門男女W優勝戦。今節のVで女子では初のSG制覇。プレミアムG1も2回制して通算ではV37。154センチ。血液型A。好きな食べ物は焼き肉。オフの日は選手仲間とのキャンプが趣味。選手になる前はパン屋で働いていたが、姉ゆみ(元ボートレーサー)に誘われて選手を目指した。通算獲得賞金額は4億5968万9573円(21日現在)。

 ◆SG スペシャルグレードの略で年間9レース行われるボートレース界最高峰のシリーズ。最も優勝賞金が高いのは1億円のグランプリ。今回、遠藤エミが優勝したクラシックも57回の歴史があり、グランプリ、オールスター、メモリアル、ダービーとともに格式高いSG5レース「GRANDE5」の一つになっている。クラシックの優勝賞金は3900万円。

 ◆女子レーサーとSG 女子レーサーは過去44人がSGに挑戦。最多出場は日高逸子(福岡)の41回。以下、寺田千恵(岡山)の40回、山川美由紀(香川)の39回と続き、遠藤は今節で歴代4位となる28回目のSG挑戦だった。遠藤にとってSGは、これまで優出どころか、準優進出も4節のみと男子トップレーサーの高い壁に跳ね返されてきたが、今節で寺田、横西奏恵(引退)に続く3人目のSG優出を果たし、そのまま女子初のSG優勝まで手に入れた。

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