【フェブラリーS】モズアスコットV!史上5頭目の芝&ダートG1制覇 次は海外G1

 「フェブラリーS・G1」(23日、東京)

 1番人気のモズアスコットが完勝。道中は中団を追走し、直線に入ると力強く抜け出し、史上5頭目となる芝&ダートG1制覇を飾った。今後は海外遠征を視野に入れる。2着は16番人気のケイティブレイブ、3着に3番人気のサンライズノヴァが入り、連覇を狙った2番人気のインティは14着に敗れた。

 桁違いの強さを見せた。モズアスコットは好発を決めると、昨年の覇者インティを前に見る形で中団で脚をためる。手応え十分に直線へ向き、残り1F手前で抜け出すと、右ステッキで一気に加速。最後はルメールが後ろを振り返る余裕を見せ、2馬身半差の完勝劇だった。

 初ダートだった前走の根岸Sに続く連勝を飾り、18年安田記念以来のG1タイトル。芝&ダートでの制覇は史上5頭目の快挙だ。鞍上は「ビックリした。強かった」と驚きを隠さない。自身も9度目の挑戦で初Vを決め、「勝つ自信はいっぱいありました。すごくうれしい」と満面の笑みだった。この日は6勝の固め打ち。指を6本立てて、ファンの声援に応えた。

 矢作師も「連闘でG1を勝ってくれるし、芝からダートに変わっても勝ってくれる。素晴らしい馬。自分がセリで探してきた馬で結果が出せて、調教師冥利(みょうり)に尽きる」と大喜び。JRA・G110勝目となり、有馬記念(リスグラシュー)、ホープフルS(コントレイル)に続く、史上2人目の実施機会3連勝。「スタッフが万全の仕事をしてくれた」と感謝を口にした。

 重圧との戦いでもあった。「芝スタートもいいし、馬の状態も上がって、全ての条件が好転していた。勝つ自信があったので、逆にめちゃくちゃ緊張した」と師。この日かぶっていたトレードマークの帽子は、娘と息子からのプレゼント。リスグラシューがコックスプレート、有馬記念連勝時にも身に着けていた。ラッキーアイテムの後押しも得て、勝利の女神を振り向かせた。

 今後はドンカスターマイル・G1(4月4日・豪ランドウィック)で海外G1初制覇を狙う。「芝、ダート問わず、本格的な二刀流として育てたい」と指揮官。秋には、BCダートマイル・G1(11月7日・米キーンランド)参戦の夢プランもある。新境地を開拓して輝きを取り戻した6歳馬は、世界に活躍の場を広げていく。

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