【フェブラリーS】ノンコノユメ 豪脚復活 王者破ってつかんだJRA・G1初V

 ノンコノユメの馬上でガッツポーズを見せる内田博(手前)=撮影・三好信也
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 「フェブラリーS・G1」(18日、東京)

 末脚が府中の直線でさく裂した。4番人気ノンコノユメが、先に抜け出した1番人気ゴールドドリームをゴール寸前で首差とらえ、待望のJRA・G1初制覇。関東馬は98年グルメフロンティア以来、20年ぶりの勝利となった。連覇を狙ったゴールドドリームは2着、さらに首差の3着に6番人気のインカンテーション。ハイペースに巻き込まれた2番人気のテイエムジンソクは12着に沈んだ。

 豪脚が完全によみがえった。府中の砂上に強い強いノンコノユメが帰ってきた。

 「外からかぶせられないように」。陣営の狙いは一致していた。スタートで最後方に下がったが、内田博に迷いはなく、ロスを覚悟で大外からの追走を選択した。

 直線入り口では、10馬身近く前にレース連覇を狙う1番人気のゴールドドリームの姿が。「しまいは必ずいい脚を使ってくれる。馬を信じて追った」。1完歩ずつその差は詰まり、ラスト100メートル過ぎで馬体が合う。「厳しい形だったが、最後は馬の根性」。グイッともうひと伸び。首差かわして、JRA・G1初制覇の夢をかなえた。

 前走の根岸Sで初コンビを組むと、レコードVで2年2カ月ぶりの勝利に導いた。ウチパク自身は14年ヴィクトリアマイル(ヴィルシーナ)以来、3年9カ月ぶりのG1制覇。「結果を出せてホッとしているし、騎手冥利(みょうり)に尽きますね」と相好を崩した。

 気性の激しさが、その“馬生”を大きく変えることになった。牝馬だけでなく、牡馬に対しても馬っ気が強く、時には担当厩務員にも飛びかかるほど。陣営は苦悩の末に、去勢する道を選んだ。しかし、激しい気性こそ鎮まったものの、なかなか結果を出すことができなかった。

 「ネットなどで厳しく批判されましたが、やっとですね。良かった」と加藤征師は感慨深げ。完全復活を遂げた姿に、「もともと右の股関節が弱く、ケアしながら使ってきたけど、昨年の夏にしっかり休ませたことが良かったようです」と笑顔がはじけた。

 今後については「もう十分なパフォーマンス。これ以上望んだらかわいそう。あとはオーナーの意向に従います」としたが、優先出走権を得たBCクラシック・米G1(11月3日)には「興味がありますね」とニヤリ。もう後ろは見ない。眼前には、さらなる大きな夢が広がっている。

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