【ステイヤーズS】アルバート衝撃のV

 「ステイヤーズS・G2」(5日、中山)

 “すごみ”を感じさせる走りでアルバートが1番人気に応えた。折り合いに苦労する馬が続出する乱ペースのなか、ムーアは焦ることなく中団の内で脚をためる。直線で狭いスペースをこじ開けて、残り1F過ぎで一気に先頭へ。瞬く間に5馬身差をつけた内容は、衝撃的ですらあった。

 昨年11月以来のコンビとなった鞍上は「3周を楽しませてもらった」と、師走名物のマラソンレースを制して満足そうな表情を浮かべる。「追い切りにも乗って、馬が楽しんで走っているのを分かっていた。すごい勝ち方」。昨年の京成杯(8着)以来、2度目の重賞挑戦で初タイトルを獲得した相棒のポテンシャルを絶賛した。

 今夏の時点では500万条件馬に過ぎなかったが、4走前の札幌戦から素質が開花し4連勝を達成。気になる今後について、林正道オーナーは「これまで詰めて使っていますからね。来春の天皇賞(5月1日・京都)が目標でいいのでは」としつつも、「もちろん有馬記念(27日・中山)に行きたい気持ちはあります」とグランプリ参戦に含みを持たせた。開業以来最多のJRA重賞年間8勝目を飾った堀師はこの日、4戦4勝。勢いが止まらない厩舎からまた一頭、楽しみな存在が現れた。

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