【函館記念】ダービーフィズ重賞初V

 「函館記念・G3」(19日、函館)

 荒れることで定評のある一戦を制したのは、函館リーディングを独走する岩田と初コンビを結成した3番人気ダービーフィズ。勝負どころから勢い良く進出すると、最後は2着ハギノハイブリッド(10番人気)を頭差でねじ伏せて重賞初制覇を飾った。3着には7番人気の3歳馬ヤマカツエースが奮闘し、1番人気のエアソミュールは4着に完敗。3連単は、9年連続の万馬券となる12万4990円の高配当だった。

 北の大地で絶好調ジョッキーが決めた。今年の函館リーディングを独走する岩田と初コンビを結成したダービーフィズが、通算10回目の挑戦で待望の重賞初制覇。直線で力強く末脚を伸ばし、ハギノハイブリッドとの一騎打ちを頭差で制した。

 函館を熟知する名手ならではの好騎乗だった。逃げるマイネルミラノが向正面で後続馬を引き離しにかかるなか、冷静に対処。中団から徐々に進出して迎えた4角手前、ドンピシャのタイミングでスパートをかける。岩田は「前が残ると思ったので、内でジッとしながら機をうかがっていた。最後は差し返されそうになりながらも、何とかこらえてくれたね」と会心の笑み。小島太師は「力を100%引き出してくれた」と感心しきりだった。

 今夏の岩田は手がつけられない。函館は開催を1週残した段階で通算19勝。2位の吉田隼(8勝)に大差をつけ、サマージョッキーズシリーズのポイントランキングでも堂々の首位に立つ。それでも「いい馬にたくさん乗せてもらっているのに取りこぼしも多い。あと1週あるので頑張りたい」と貪欲な姿勢を崩さない。オーラスの函館2歳Sでは有力馬ブランボヌールに騎乗。2週連続重賞Vへ、手腕に注目が集まる。

 ダービーフィズはこのあと札幌記念(8月23日・札幌)を予定。サマー2000シリーズ制覇を視野に入れる5歳の良血馬を「もっと上を目指せる器」と鞍上は高く評価する。次戦の結果次第では、秋はG1の舞台への飛躍も期待できそうだ。

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