自分のためだけじゃなく、周りのために

 38歳になりました。今、舞台「北齋漫畫」(6月9日~7月7日、東京グローブ座)のことで頭がいっぱいです。ホンマ大変です。稽古しながらいろんなことを試して変化するんで、気が抜けない。例えるなら映像の仕事は短距離走で、舞台は長距離走みたいな感じかな。

 カンパニーはみんなすごいええ人で、仲もいいんですが、今回は座長らしいことをまだ何もしていません。理由は、僕がいっぱいいっぱいだから。皆さんにも「申し訳ないです。いっぱいいっぱいです」って謝って。それだけすごいんですよ、作品が。

 セリフは台本を何度も読んで、口に出して覚えます。サウナでやるとめっちゃ集中力が上がります。いつも12分入るんですが、時間内にここを覚えないと出ないと決めてやっています。

 実は、これまで北齋について「富士山を描いてる人」というぐらいの知識でした。舞台をやると決まってから勉強して、とても破天荒な人物だと知った。今やったらこんな生き方できる人おんのかなー。絵のためやったら周りが見えなくなるし、「自分の描きたいものしか描かない」と忖度がない。だからこそ今の時代まで愛されているのかもしれません。そういう生き方って潔いなって思います。

 でも、自分はそう生きたいかというと、違う。僕は北齋のように自分のためだけじゃなく、周りのためにという考えがある。僕のために動いてくれてる人を見ると、「この人のために頑張ろう」って思う。仕事も「これがやりたい」というより、マネジャーが仕事を持ってきてくれたら、「考えて持ってきてくれてるし、どうでもよかったらこんなこと言わへんやろうな」と思って全力でやる。今回の舞台もそう。僕にできると思って持ってきてくれたのに、逃げんのもちゃうなと思って。「やる」って言った時はものすごい覚悟でしたが。北齋とその時代をちょっとだけ予習してから見ていただけるとすごく楽しめると思いますよ。

 舞台が終わったら関ジャニ∞のライブです。15周年なので、やってきたことをきちんと提示して、皆さんに「応援してきてよかった。これからもついていきたい」って思ってもらえるような姿を見せたい。全力で恩返ししたいと思っています。

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