老化の真犯人は「糖」ではなく「食べ方」だった 専門家がすすめる「黄金トリオ」って何?

 「最近シワやたるみが気になる」「疲れが取れにくくなった」。そんな変化を年齢のせいだと思っていませんか。実はその不調や見た目の変化、毎日の“食べ方”が関係している可能性があります。近年、老化との関係で注目されているのが「糖化」です。糖化ストレス研究の第一人者で、同志社大学生命科学部 糖化ストレスセンター客員教授の八木雅之先生によると「糖化=老化といっても過言ではない」そう。では、糖化とは何なのか。そして、好きなものを我慢せずに老化を防ぐ食べ方はあるのでしょうか。詳しく聞いてみました。

 -最近よく耳にする「糖化」とは何なのでしょうか?

 「糖化とは体内で糖やアルデヒドというタンパク質が結びつき、『AGEs(終末糖化物質)』という物質が作られる反応のことです。酸化がサビなら、糖化はコゲとたとえられることもあり、このAGEsが肌の張りや弾力の低下、シワ、くすみ、シミ、髪質などの変化を引き起こします」

 -「糖を取ると老ける」と聞きます。甘い物や炭水化物は控えた方がよいですか?

 「糖質の摂りすぎには注意が必要ですが、過度な糖質制限はおすすめできません。糖質は三大栄養素のひとつであり、私たちが生きるうえで欠かせない栄養素です。研究が進むにつれ、極端な糖質制限は健康を損ないリスクも指摘されているんです」

 -糖質そのものが悪くないなら、何に気を付ければよいですか?

 「ポイントは、血糖値を急上昇させないことです。食後に血糖値が急激に上昇すると、体内でアルデビドが大量に発生する『アルデビドスパーク』が起こります。つまり糖質そのものではなく、血糖値の急上昇。ゆっくり食べること、食べすぎを避けることが重要です」

 -同じ物を食べても老け方は“食べ方”で変わりますか。

 「『酸・タンパク質・脂質』の“黄金トリオ”を1食でそろえることが重要です。お酢やレモンなどの酸は吸収を穏やかにし、たんぱく質や脂質は胃に長く溜まることで血糖値の上昇を抑える働きがあります」

 -ラーメンやピザのような“老けそうな食べ物”も食べ方次第で変わりますか?

 「はい。ポイントは足りない要素を補うことです。ラーメンの場合、麺は糖質、スープにはタンパク質と脂質が含まれています。そこでお酢を加えることで、『酸』が補われ黄金トリオが完成します。ピザもタンパク質と脂質は十分含まれているため、レモン果汁をかけたり、レモン水やレモン炭酸水と一緒に飲んだりすることでバランスが整います」

 -コンビニや外食でも簡単にできる“老けにくい食べ方”はありますか?

 「『何を減らすか』ではなく、『何を足すか』を意識することです。例えば、おにぎり2個だけを食べるよりも、おにぎり1個とサラダチキンを組み合わせる方がおすすめ。サラダチキンを先に食べることで、血糖値の急上昇を抑えやすくなります。また、たまごサラダやチーズ入りサンドイッチを選んだり、レモン果汁入りの飲み物を取り入れたりするのも良い方法です」

 -忙しい人がまず始めるなら、何を意識すれば良いですか?

 「食前にレモン水を飲むことです。レモン果汁30g程度を水で薄めて飲むことで、食後の血糖値上昇を抑える可能性が研究で示されています。また、普段使う油を抗酸化力の高い太白胡麻油(生ごま油)に見直すこともおすすめです」

 -逆に、老化を進めやすい食習慣はありますか?

 「代表的なのは次のような習慣です。『早食い、どか食い』『過度な糖質制限』『酸化した油の摂取』『おにぎりだけ、麺類だけなど糖質に偏った食事』『飲酒、喫煙、紫外線、強いストレス』。重要なのは『何を食べないか』よりも『どう組み合わせるか』です」

 -糖化対策はシワやたるみ、毛穴にも影響するのでしょうか?

「大きく影響します。糖化によって生まれるAGEsは、肌のコラーゲンやエラスチンを硬く変化させます。その結果、シワやたるみ、黄ぐすみ、毛穴の開きなど、さまざまな肌悩みにつながる可能性があります。糖化対策は健康だけでなく、美容の面でも重要な意味を持つといえるでしょう」

 我慢する食事でなく、組み合わせを工夫する食事へ。毎日の小さな積み重ねが、未来の肌や健康を守ることにつながるのかもしれません。(デイリースポーツ特約・鈴木風香)

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