本名を書くのは…飲食店の順番待ちリストはイニシャルやニックネームで問題は?【防犯対策専門家が解説】
休日の昼間、家族で近所のラーメン店を訪れたAさん。ランチ時とあって入り口には列ができており、スタッフからレジ前の受付表に名前を書くよう案内された。
ボールペンを手にしたAさんは「本名を書くのはちょっとな…」と一瞬ためらい、不特定多数の人に見られることも考え、名前の欄に「A」とだけ記入。その様子を見ていた子どもから「なんでほんとの名前書かないの?」と不思議そうな顔で尋ねられた。
思いがけない質問に言葉に詰まったAさんは、「呼ばれればわかるから」と返したが、説明したAさん自身は、この回答にどこか釈然としない気持ちが残った。
では実際に、飲食店などで見かける順番待ちリストでイニシャルやニックネームを書くのは問題ないのだろうか。防犯対策の専門家・京師美佳さんに話を聞いた。
ーイニシャルやニックネームを書くことに問題はあるのでしょうか?
イニシャルやニックネームでも問題はないですが、店側のルールがあることもあります。決められたルールに従わない場合、どのような対応をするかは店舗側の判断となります。
利用者はそのルールを確認し、従うことが大切です。
ー店舗側はどのような書き方だと助かるのでしょうか?
近年は個人情報の観点からも、本名にこだわる店は少なくなっています。ですが、ネット予約や電話予約など、本人確認が必要な場面では本名を伝えたほうがスムーズです。
受付表に記入する場合も、誰にでも当てはまる「A」などではなく、「A〇」「A△」など、すぐに本人だと分かる書き方をすると、店舗側も対応しやすくなります。
ーそもそもAさんが考えているように、飲食店などの順番待ちリストに本名を書くことにはリスクがあるのでしょうか?
本名は個人を特定できる情報として、個人情報保護法の対象にもなっています。とくに珍しい名前は身元もバレやすく、SNSなどを検索すればすぐに相手を特定できます。
実際に、順番待ちリストに名前と電話番号を書いた若い女性に、店のスタッフから電話がかかってきたケースもありました。頻繁に起こることではないですが「本名を書く=個人情報を公開する」という意識は必要だと思います。
ー利用者と店側双方が安心して利用するためのポイントを教えてください
「お互い様」という意識が大切だと思います。必要がなければ本名を書く必要はありませんが、お店側が困らないように配慮をすべきです。
お店側もプライバシーが守られる予約システムの導入や、ネット予約なども検討すると良いかと思います。
ーでは、受付システムが最近変わってきているのも、個人情報保護が目的なのでしょうか?
そうですね。近年はオンライン予約や、タブレットでの受付番号発行も増えています。個人情報への意識が高まっているので、予約システム自体をプライバシーが守られる仕組みにしているお店も多いです。
防犯の面から考えると、オンライン予約などがあればそちらを利用した方が良いと思います。
◆京師美佳(きょうし・みか)
テレビなどメディアでおなじみの防犯対策専門家。日本初の女性防犯アドバイザー、日本初の犯罪予知アナリストとして、25年以上にわたり8,000件以上の事案に対応している。
