猛烈寒波で要注意!医師に聞いたシニアの冬の血圧管理ポイント 正しい計測&生活習慣改善で健康を守る
一気に気温が下がり、本格的な冬の寒さが到来した。厳しい寒さや朝晩の寒暖差は、私たちの体にもさまざまな影響を与える。中でもシニア世代が注意したいのは血圧の変化だ。医師に冬の血圧管理のポイントを聞いた。
神戸市の兵庫県予防医学協会で20日、血圧をテーマとした健康科学セミナーが開かれ、同市立医療センター・西市民病院循環器内科の平沼永敏部長代行(43)が講演。約80人の市民を前に、高血圧症のリスクや「125/75mmHg」とする治療目標値、生活習慣改善の大切さなどを図表を交えて解説した。
血圧とは、心臓が血液を送り出すときに血管にかかる圧力のこと。血圧があるおかげで、血液とともに酸素や栄養が体のすみずみまで運ばれる。心臓がキュッと収縮したときの圧力が、いわゆる「上の血圧」で、心臓がゆるんだときの圧力が「下の血圧」だ。
血圧の高い状態が続くと、血管への負荷が大きくなる。血管が詰まったり破れたりして起こる脳梗塞などの脳の病気のほか、強い圧に逆らって血液を送り続けることが負担となり、心臓の病気を招くこともある。さらに、細い血管の集まりである腎臓の働きが低下し、老廃物をうまく排出できなくなることもある。血圧は自身の健康を知る上で大切な指標と言える。
平沼氏によると、国内の高血圧有病者は4300万人に上り、世界的にも「みそ、しょうゆになじんできた日本人は血圧が高い傾向にある」という。それだけに、健康管理のポイントは「まずは朝晩の2回、血圧をきちんと測ること」と強調する。
血圧を測るときに注意したい点は、静かに正しい姿勢で、腕を心臓と同じ高さにして計測することはもちろんだが、「トイレを我慢していると血圧が上がる」ため、「用を済ませておくこと」もポイント。血圧の薬を服用中の場合、薬の効果で“良い数値”が出てしまうので、「薬を飲む前に測ること」も大切。左右の腕で差があることもあり、測定習慣を始める際は、左右両方で大きな差がないかも確認しておきたい。左右の腕で「20~30mmHgも差がある場合は、主治医に相談を」と話す。
また、平沼氏は「夏に比べて、冬は自然と血圧も上がりやすい時期」とし、「特に気をつけたいのが寒暖差です。お風呂場や脱衣所などで起こるヒートショックを防ぐためにも、裸になるような場所では暖房器具を使うなど寒暖差が大きくならない工夫を」と呼びかける。
食事などの生活習慣も、血圧と大いに関係がある。平沼氏は日本人の1日の塩分摂取量が10グラム程度と紹介した上で、「高血圧が気になる方は1日6グラムを目安に。かなり薄味に感じますが、一気に減らすのではなく、徐々に減らして慣れていきましょう」と話す。ラーメンスープの“完飲”や“追いしょうゆ”などは厳禁。お酒についても「禁酒!とまでは言いませんが、1日1合程度で。ビールなら1本だけ。週に1度は休肝日を作って下さい」とすすめる。たばこは「禁煙」あるのみだ。食事だけでなく、運動習慣も重要。「できれば30分程度のウォーキングを朝晩行えれば理想」という。
冬は血圧が上がりやすく、心身への負担も増す季節だ。だからこそ、日々の血圧測定を通じて体の変化に気づき、体を急激に冷やさない工夫や食事、運動といった基本的な生活習慣を見直すことが、健康を守る第一歩となる。血圧を知ることは、将来の病気を防ぐことにつながる。寒い冬を安全に、そして元気に乗り切るための備えを、今日から始めたい。
(よろず~ニュース・田中 靖)
