働き盛りが資格&転職より「キャリア選択で後悔」していること 平均で生涯年収1850万円の“損失”
近年、転職市場の活性化や働き方の多様化により、キャリアの選択肢は広がっている。一方で、人生の岐路における意思決定の重要性も増し、「あの時こうしていれば」という後悔を抱える社会人も少なくない。株式会社CAREER FOCUSはこのほど、30代・40代の正社員1500人を対象に「キャリア後悔に関する実態調査」を実施、結果を公表した。
「これまでのキャリア選択で、やらずに後悔していることはありますか」という問いに対して、84.7%が「ある」と回答。30代が81.3%、40代は88.2%で、年代が上がるほど後悔の割合が高くなる傾向がみられた。
具体的に後悔していることでは、「英語・語学学習をしなかった」が52.8%で最も多かった。「30歳の時に海外事業部への異動のチャンスがあったが、英語ができないという理由で辞退。その同期は今、年収1200万円で海外駐在している。自分は600万円で同じ部署に10年いる。人生が変わっていたと思う」(男性40歳メーカー勤務)、「子どもに『お母さん、英語教えて』と言われた時、何も教えられない自分が情けなかった。子どもの可能性まで狭めている気がする」(女性37歳事務職)といった声が寄せられた。
そのほか、「専門資格・スキルを取得しなかった(47.3%)」「もっと早く転職すべきだった(38.6%)」「副業・複業を始めなかった(31.2%)」などが続いた。
後悔している選択を「実行していた場合」と「実行しなかった場合」の推定年収差でみると、「英語・語学学習をしなかった」場合で2800万円、「専門資格・スキルを取得しなかった」場合は3200万円の推定損失額になり、平均でもキャリアの後悔が生涯年収に1850万円のマイナス影響を与えているという。
また、「キャリアに対する後悔を初めて強く感じた年齢」を尋ねたところ、28歳前後:34.2%(同期との差、転職市場での評価を意識)、32歳前後:27.8%(結婚・出産などライフイベントとの両立)、35歳前後:41.6%(昇進機会の喪失、市場価値の低下を実感)に大別された。特に35歳は「キャリアの分水嶺」とも言え、この年齢を境に「やり直しが効かない」という焦燥感が急激に高まる傾向がみられた。
なぜ実行できなかったのか理由を尋ねると、最も多かったのは「いつかやろうと先延ばしにしていた」で52.8%。「情報不足により一歩踏み出せなかった(47.3%)」「自分にはできないと思っていた(38.6%)」と続いた。
会社や上司からどんなサポートがあれば良かったかを尋ねると、「キャリア面談・相談機会の充実」「社内公募・チャレンジ機会の提示」「スキル習得支援」などが挙がった。
(よろず~ニュース調査班)
