夏休みシーズン、上司の旅行先ホテルを「最悪」呼ばわり “やからし”のリカバリー対策 識者が解説

 夏休みのシーズンだ。職場でも旅行先での話題になることもあるだろうが、その中でうっかり失言することもある。そんな時のリカバリーはどうすればいいのか。「大人研究」のパイオニアとして知られるコラムニストの石原壮一郎氏が実例を挙げながら解決した。

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 【今回のピンチ】

 夏休みに家族で行った沖縄旅行が最高だったと話す上司。「いいですねー。自分が前に泊まったAホテルは最悪で」と言ったら、上司が「ウチもそこに泊まったんだけど」と……。

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 まさに「口は禍(わざわい)の元」という言葉がピッタリの状況です。こっちとしては、楽しく旅行した上司をさらにいい気持ちにさせようという狙いでしたが、完全に裏目に出ました。

 上機嫌で話していた上司としては、家族で泊まったホテルを「最悪」と言われて、さぞ気分が悪いでしょう。知らずに言ったこととはいえ、お前は我が家の旅行にケチをつけたいのかという気持ちになりそうです。

 「余計なことを言ってすみません!」と素直に謝るだけでは、この巨大な失態はカバーできません。コトの重大さを十分に認識して、激しく焦りつつ、必死でリカバリーしようとしている姿勢を見せることが大切です。

 まず思いつくのは「す、すみません。よく考えたらAホテルはすごくよくて、最悪だったのは別のときに泊まったBホテルでした」といった調子で、ホテルを間違えたことにするごまかし方。ただ、いかにもウソ臭く響くし、誠意というものが伝わってきません。

 ここは、まず「あっ、そうだ! ありがとうございます!」と驚きつつお礼を言って、相手をうろたえさせます。その上で、

 「思い出しました。そういえばAホテルは数年前に経営が変わって、ガラッと生まれ変わったというニュースをネットで見ました。さすがの選球眼で、最高のホテルをお選びになりますね」と、自分と上司の印象が食い違う理由を明確にしつつ、そのホテルを選択した上司の見る目を持ち上げます。

 さらに「ヘンなこと言って申し訳ありませんでした。ああ、また沖縄に行きたいなあ。その時は絶対、生まれ変わったAホテルに泊まります」と続ければ、失言のマイナスは9割がたリカバリーできるでしょう。

 もちろん、Aホテルの経営が数年前に変わった云々は、事実かどうかはまったく関係ありません。ここで大切なのは、上司の不愉快な気持ちを和らげたいという強い意志と、そのためには手段を選ばない覚悟を見せつけることです。

 必死に言いつくろう姿を見て、上司も「そこまで言うなら水に流してやるか」と思ってくれれば、それでよし。ただ、「適当なこと言いやがって」と余計に悪い印象を与える可能性もあります。そこは上司の性格と、自分のキャラや日頃の行ない次第。素直に謝ったほうがマシというケースもあるでしょう。

 どんなことにせよ、当たりはずれは付きものです。失敗を恐れていたら、自分の気持ちも人生の可能性もしょぼくれていくばかり。常に果敢な挑戦を続けましょう。そして、こういう場面では、必死な部下を大らかに許してあげられる上司になりたいものです。

(コラムニスト・石原 壮一郎)

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