「2ちゃんねる」→「大喜利」の世界へ 引きこもりからライブで大人気 ハチカイ・警備員さんが語る魅力

司会者が出す「お題」に対して、回答者が巧妙かつ想像を掻き立てるような回答を出し、面白さを競う「大喜利」。もともと寄席の余興として生まれたものだが、近年、それを主体にした大喜利ライブが注目され、SNSやYouTubeでもバズを繰り返している。日曜の夕方、お茶の間のテレビで観るものとは全く印象の違う、鋭い回答は観客の心を捉えて離さない新しいスタイルの大喜利。イベントの後には回答者のチェキ会が行われるなど、その人気はアイドル級だ。今回、お笑いトリオ「ハチカイ」のメンバーで大喜利シーンのホープ、警備員さんにお話を聞いた。 

--大喜利を始められたきっかけは何だったんでしょうか?

警備員:中学生の頃、自分だけ夏休みの宿題をサボっていたことが原因で引きこもっていて、1日中お笑い番組とか、まとめサイトを見て過ごしていました。そのうちに段々自分もやりたくなって、2ちゃんねるのニュー速VIP掲示板の「笑いに自信のあるやつ集合」というスレッドに参加したのがきっかけです。

大喜利に関しては、「内村プロデュース」(テレビ朝日)で初めて知りました。まだIPPONグランプリも無かった時代なので…。

--中学生からずっと大喜利を!学校に行っていないから自宅警備員=警備員というお名前になったということですね。 投稿するのにかなり勇気が必要だったのではないでしょうか?

警備員:今ライブなどでやっていることとは真逆になってしまうのですが、ネット大喜利は匿名で自分の力を試せるので、中学生の自分にとってはハードルが低かったです。 通用すると分かれば名前を出せばいいし、 スベっても恥ずかしくないので。

--確かに匿名掲示板では回答を出す恐怖感は薄い気がします。15年間大喜利を続けているということですが、そこまでハマる大喜利の魅力とは何でしょうか?

警備員:大喜利全体でいうと「唯一無二の回答が生まれる」という点です。お題に対して1対1で向きあって、そのお題にしかハマらない回答が生まれる。前準備がいらない、スベっても許容される即興性、ネタには無いグルーヴ感も好きです。

--何も回答が浮かばないことってあるんですか?

警備員:さすがにもう少ないです。よく「何も思いつかない」って言う人がいますが、正確には「面白くない答えしか思いつかない」なのかなと思います。まず身内の小さいイベントなどに出て試してみると、自分が面白くないと思ってても意外とウケたりするので、回答のハードルが下がりました。

それでも手も足も出ない時に回答を導くコツは、ランダムなワードを思い浮かべて、それをお題と繋げることです。

--それも難しそうですが…。最近は素人の方でもエントリーできる大喜利ライブや、オンライン上のイベントなども増えています。初心者の方へのアドバイスがあれば教えてください。

警備員:段階を踏むのが一番の近道かなと思います。初めは「ウケなかったらどうしよう」という心配が強いと思うので、匿名のネット大喜利で発想の部分を鍛えて、何がウケて何がウケないかの取捨選択をしていく。次に友人の前でやってみて表現力について考えてみる。そこである程度固まったらライブでもウケるようになるのかなと思います。

自分は面白いはずだけど勇気が出ないという人に届いてほしいです。ライブに限らず面白い人を引っ張り上げる文化はネット大喜利、アマチュア大喜利に根付いています。面白ければいずれ見つけてもらえるはずです!

--継続することが大切ですね。ありがとうございました!

◇ ◇ ◇

大喜利は芸人だけのものではない。無茶なお題に回答を出すという意味では、会社で企画を出すのも大喜利であり、クレーム対応も大喜利であり、育児中に子供と遊ぶのも大喜利である。言葉だけでなく想像力で無限に広がる大喜利の世界。未見の方は是非一度ご覧いただきたい。

(よろず~ニュース特約・ゆきほ)

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