職場で「NO」と言うのは難しい!セクハラ被害の深刻さを元アイドル平松弁護士が解説

 我が国でハラスメントを最初に指摘した裁判例は、1989(平成元)年、職場で男性上司から性的な評価を含む噂を社内外に流された女性によるセクシャルハラスメント裁判であると言われています。その後、セクハラは性別を問わず成立すると考えられるようになり、女性が男性に対して行ったセクハラの裁判も登場しましたが、最初の裁判が平成に入ってからとは、意外と最近な感じがしませんか。

 雇用の分野でセクハラとは「職場における労働者の意に反する性的な言動」と位置付けられています。

 ここでハラスメントをした側の言い訳によく使われるのが「嫌そうにしていなかった」「いつも笑って返していた」という弁明です。たしかに「労働者の意に反して」と定義されると、明確に拒否反応を示していない限り、セクハラの概念から外れてしまいそうです。

 しかし、職場ではっきり「NO」といえる人がどれだけいるでしょうか。最高裁もセクハラ被害は「職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたり躊躇したりすることが少なくないと考えられる」と言っています。だからこそ、平成の世になるまでセクハラ裁判が登場しなかったのかもしれません。

 なお、厚生労働省は、意に反するかどうかは「平均的な女性(男性)労働者の感じ方」を基準にするとしています。客観的に見て、たいていの人が「それは女性(男性)は嫌がるだろう」と捉えるかどうかを判断基準とするというわけですね。

 ところで先日、女性たちが集まるプラットフォームをのぞいたら、「男性の先輩に褒められる際、頭をなでられてゾッとした」「『疲れた顔してるね』という発言が『お前今日ブスだな』という発言に聞こえる」などという発言が〈実に多くの〉賛同を得ていました。

 こうした言動がただちに違法とまでは認定されないとしても、さてさて、職場の男性(女性)、上司の皆さん、これが「平均的な女性(男性)労働者の感じ方だ」と言われたら、あなたは絶対にやっていないと言えますか?もはや、お尻を触る、スリーサイズを聞く、などの当たり前すぎる行為のセクハラ該当性を議論する時代は終わったのです。

 弁護士。大分県別府市出身。12歳のころ「東ハトオールレーズンプリンセスコンテスト」でグランプリを獲得し芸能界入り。17歳の時に「たかが恋よされど恋ね」で歌手デビュー。「世界ふしぎ発見!」のエンディング曲に。20歳で立教大学に入学。芸能活動をやめる。卒業後は一般企業に就職。名古屋大学法科大学院入学。15年司法試験合格。17年大分市で平松法律事務所開設。ハンセン病元患者家族国家賠償訴訟の原告弁護団の1人。

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