師匠にも勝った藤井六段を育てた杉本昌隆七段ってどんな人?

聖帝サウザーか、覇王ラオウか―。師匠を倒して最強への道を突き進む藤井聡太六段。師弟対決で敗れはしたが、この逸材を育てた師匠・杉本昌隆七段ってどんな人なんだろう。

公開日:2018.3.8

杉本七段自身はできなかった“師弟対決” 対局前は「非常にうれしい」

藤井聡太四段(現六段=右)と握手する師匠の杉本昌隆七段

 王将戦の2回戦では杉本七段と対局する。「対局に臨むからには全力を尽くしたいと思います」と決意を語った。
 杉本七段は「公式戦で対局できるのは弟子の成長を実感できるひとときだと思う」と話し、「対戦するまでは非常にうれしい気持ち」と胸中を明かした。

藤井五段 昇段後初勝利…杉本七段との師弟対決も決定「全力を尽くしたい」

 杉本七段は“師弟対決”に特別な思いがあった。杉本七段の師匠・板谷進九段は、杉本七段がプロ入りする前に死去していた(1988年没、享年47)。藤井六段との対局が決まった直後には「私は自分の師匠と公式戦で指すことが子どもの頃の夢でした」と明かし、「師匠は私が19歳のときに亡くなってますので、実現できなかった。そういう意味で形は違えど、特別な思いがあります」と嬉しそうに話していた。

“恩返し”なんていらない!長期戦に持ち込んでの勝利狙う

 杉本七段は「世間的に勝てないと思われるのもしゃくに障る。いい将棋を指したい」と、師匠としてのプライドも隠すことなく吐露。弟子が師匠に勝って成長を示すことを将棋の世界では「恩返し」というが、「特にそれをして欲しいとは思わない。強さは十分に知っている」と“恩返し”は希望せず。一棋士として全力で藤井六段を倒しに行く意気込みを語っていた。

杉本七段、藤井六段撃破の秘策を語っていた 「10ラウンドまで戦って判定に…」

 杉本七段は、藤井六段の将棋について「真っすぐ、若者らしく切り込んでくる展開が本当に強い」と評した上で「お互い打ち合うような展開ではなくて、10ラウンドまで戦って、判定に持ち込むような、長ければ長引くほど有利になるというか、私のペースになる」と、とにかく時間をかけてじっくり攻めて、相手を焦らす作戦を練っていることを明かした。

杉本七段、藤井六段撃破の秘策を語っていた 「10ラウンドまで戦って判定に…」

「千日手」はさんだ熱戦の末に敗れるも「藤井六段にお礼を言いたい」

 最年少棋士の藤井聡太六段(15)が8日、関西将棋会館で行われた王将戦1次予選で師匠の杉本昌隆七段(49)と初対局し、111手で下した。連勝記録を14に更新した。局後、取材に応じた藤井六段は「本当に一手一手とても難しい将棋で最後まで分からなかった」と師匠との対局を振り返った。

藤井六段 師匠の杉本七段に勝利…杉本七段は「藤井六段にお礼を言いたい」
感想戦での藤井六段(左)と師匠の杉本七段

「棋士人生で一番注目された対局」で「勝負としては残念」

 一方、破れた杉本七段は「自分の棋士人生の中で恐らく一番注目された対局」と振り返り、「勝負としては非常に残念だが、きょうの1日は自分の中で非常に素晴らしいものになりました。藤井六段にお礼を言いたいと思います」と弟子に感謝した。

藤井六段 師匠の杉本七段に勝利…杉本七段は「藤井六段にお礼を言いたい」

亡き師匠の扇子を手に奮闘も「感傷にふけってしまいそうで」

 この日、杉本七段は、午前中に師匠・板谷九段(故人)の扇子を用いた。この対局だけは師匠の立場から“弟子”に戻り、亡き師匠とともに戦う思いだった。午後には別の扇子に替えたが「ずっとこれを持っていると考えてしまいそうで。昔のことをいろいろ思い出して、感傷にふけってしまいそうで」と心境を吐露した。

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