「わかり始めたMy Revolution」から40年、渡辺美里のアンサーとは 「全部が巡り、つながっている」7年ぶりアルバム

スタジアムライブへ意気込んだ渡辺美里
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 歌手の渡辺美里(59)が、7月15日に自身7年ぶりのオリジナルアルバム「Birthday」をリリースする。11月8日には21年ぶりとなる西武ドーム(ベルーナドーム)でのライブ「明治 チョコレート効果プレゼンツ 渡辺美里 スタジアム伝説~復活~Sweet60」も決定。還暦を迎える年にアルバムに込めた思いや、スタジアムライブへの意気込みを聞いた。

 新たなアルバムの名は「Birthday」。シンプルでありながら、さまざまな思いの集約が感じ取れるタイトルだ。還暦を祝うと同時に「生きることと、永遠の別れが常に隣り合わせにある。改めてこの世に生を受けることを意識して(タイトルを)つけました」と理由を語った。

 出会いと、そして悲しい別れにも直面してきた。97年には、数々の楽曲で編曲を担当した大村雅朗さん。23年には多くの楽曲に携わり、ベーシストとしても支えた有賀啓雄さんが旅立った。2人にゆかりのある歌手・槇原敬之が手がけた「折りたたみ傘」は、このアルバムを代表する曲だ。

 「全部が巡り、つながっている感じがして。こういう曲を書いてほしいとかは言わなかったけど、大村さんや有賀さんのことを重ね合わせて作ってくれたと思う」と、珠玉の曲をいとおしむ。

 出会いも表現された。ジャケットは85年のアルバム「eyes」のデザインを意識したという。

 「ずっと一緒にやってくれているデザイナーやカメラマンに、18歳の時と同じアングルで写真を撮ってほしいと。シワもシミも傷も含めて全部が私の生きてきた証し。それを真正面から撮ってと」

 「eyes」に収録された楽曲に携わったのは小室哲哉、木根尚登、大江千里、岡村靖幸といった面々。「音楽の未来へ向けて、その世界観を担う小室さんや木根さんというアーティストが、これからという時代に一緒にやっていた」という革新的な一枚だった。

 今作では槇原や川村結花、田中明仁らが参加。「また再び才能ある方たちと巡り合った。それも『eyes』からどんどんつながっていっているところがある」と40年間の出会いに感謝する。

 そして「出すからには濃厚で、言葉がちゃんと届くもの、それぞれに意味がある歌が作れたらと思う」。喜びも哀しみも受け止めた歌声が、聴く者の心に深く染み入る。

 節目の年、もう1つの挑戦が21年ぶりとなる西武ドームのライブだ。

 「周りから聴きたいぞ、見てみたいぞって話がジワジワと(笑)。還暦でスタジアムって良いかもねということで」

 西武ドームは特別な場所だ。86年から20年間続けたスタジアムライブでは、毎年のように感極まる姿が見られていた。

 「武者震いがするんだと思う。歓声とともに自分が持って来たストーリーも、集まってくれた方たちのストーリーも、心に感じることがあって」。その歴史で「伝説」と語り継がれるのが89年7月26日のステージだ。

 大雨と稲光が危険と判断。ライブ途中で中止の決定が下された。渡辺美里は「青春のバカヤロー!雨のバカー!」と絶叫。アカペラで「My Revolution」を観客とともに歌った。

 「お客さんも収まりがつかない感じで。自然と歌い始めて、お客さんも歌ってくれて。ファンの方たちが、伝説にしてくれたんでしょうね」

 名場面だけでなく「毎年、その場所に向けて作ってきた曲もある」と「サマータイム ブルース」「夏が来た!」といった名曲たちも生まれた。一夜限りの復活には、どんなドラマが待つのか。

 「それぞれが自分の“あの頃”の思いを重ね合わせると思う。でも、初めての方でも満足してもらえるように、今現在を生きている私をちゃんと伝えたい」。ファンへ届けたい曲もある。新曲「でっかい愛を抱きしめながら」が、それだ。

 代表曲「My Revolution」の歌詞の一節「わかり始めたMy Revolution」から「今はもう分かり始めましたか?とよく聞かれる」と笑う。「答えを出さなくてもいいし、答えを知るために生きているのかもしれない」。それでも時を経て、答えの1つを導き出した。

 「成長に時間はかかるけど、でっかい愛を抱きしめながら、そんな風に生き抜いていこうよって。『My Revolution』のアンサーソングが作れた」という。

 柔らかに「スタジアムで歌えたら良いなって」とほほ笑んだ渡辺美里。自らとファンをつなぐ大きな愛にあふれる空間で、また新たな伝説が生まれる夜となるだろう。

 ◆渡辺美里(わたなべ・みさと)1966年7月12日、京都府生まれ。85年5月2日に「I’m Free」でデビュー。翌86年に「My Revolution」がヒットし、同年8月に女性ソロシンガーで日本初のスタジアム公演を西武球場(現ベルーナドーム)で成功させた。同球場では2005年まで20年連続公演の記録を達成。20年のベストアルバム「harvest」がオリコン1位となり、昭和・平成・令和の3時代で1位獲得の快挙となった。

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