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藤原さくら 共演・福山の“金言”で…

 愛用のギターを手に笑顔をみせる藤原さくら=フジテレビ湾岸スタジオ(撮影・三好信也)
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 数々のヒット作を生み出してきた通称“月9”枠のヒロインとして、彗星(すいせい)のごとく現れた。歌手で俳優の福山雅治(47)が主演するフジテレビ系ドラマ「ラヴソング」(月曜、後9・00)に抜てきされたシンガー・ソングライターの藤原さくら(20)だ。演技初挑戦ながら、吃音(きつおん)を持つ女性の孤独と成長をみずみずしく、時に荒々しく、視聴者に届けている。難役に臨むシンデレラの素顔に迫った。

 ◇    ◇

 名刺を渡してあいさつすると「よろしくお願いしま~す」と、ほんわり、ふんにゃり、といった雰囲気。癒やされる。

 藤原さくら、20歳。何もかもが新鮮な日々を過ごしている。

 「とんでもないことになったな、っていうのは、もう、ずっとそう思いながらいます。今も本当のできごとなのか、っていうのは毎日朝起きて、信じられないですね」

 人生初の演技、しかも、福山の相手役で月9のヒロイン。全てをなげうって挑んでいる、と言っても過言ではない。役作りの準備は多く、ドラマのためにバイクの中型免許を取得。役作りで茶髪に染め、パーマをかけたため「枝毛ヤバいです」と苦笑する。喫煙シーンのため初めて吸うたばこにも慣れ、お酒の味も知った。

 吃音を抱えた難役。孤独な自動車整備士、佐野さくらを演じるために、全てが大事な作業だった。

 「佐野さくらはどんな子なんだろう、って監督に聞いたり、考えて。すごく闇を抱えて、人生うまくいっていない女の子だったので、いろいろ準備させてもらって(役に)変われたのかなぁと思います」

 佐野さくらに片思いする幼なじみ役の菅田将暉(23)には「野性味あふれる演技」と評された。恐縮しきりの藤原は「撮り方が分かっていなくて、ドライ(カメラを回さないリハーサル)、リハ、本番とあるんですが、ドライから手加減せずにボンッとかグイーとやっていたので、顎に膝が入ったり…。よく分からないから全部、本気でやっていたら、全身アザだらけになっていてお風呂でビックリ!!でした」と、失敗談すら面白話に変わるのが人柄だ。

 演技はやはり難しく、頭が真っ白になるたび、福山が金言をくれた。第1話のクライマックスが忘れられないと言う。佐野さくらが福山演じる心理療法士・神代のギター伴奏で初めて心を開き、歌声を披露する重要なシーンの撮影だった。

 「歌う演技の時も段取りがあって、歌いながらこっちを向いてとか、演技しなきゃ演技しなきゃ、ってやってたんですけど、福山さんが『そうじゃなくて、自然に歌に向き合ってみたら』って。佐野さくらの気持ちを分かってるつもりで分かってなくて、どうやっていいんだろうって考えていた気持ちが、その言葉でスッと抜け落ちた気がしたんです」

 役がひょう依した結果、本番で藤原は涙を流しながら歌唱した。台本にはない、演技を超えた演技だった。

 素顔はマッチョ好きの天然キャラ。意外な趣味に驚くと「『巨乳が好きです』というのと同じ感じです」とあっけらかん。最近、マッチョカフェにも行ったという。筋骨隆々の男性店員による接客が売りで「マッチョかき氷を頼みました。『どの筋肉が好きですか?』と聞かれて『腹筋です!!』と答えたら、腹筋をムキムキにしてシロップを絞ってくれました。ガン見しました!!」と屈託がなく、大笑いしてしまった。

 好みのマッチョは体操の五輪金メダリスト、内村航平選手(27)。家にはマネジャーが通販で海外から取り寄せ、誕生日に贈ってくれた「マッチョが半裸で犬を抱いているポスター」が貼られているという。現場でも有名な話になり「福山さんは『マッチョ紹介するよ』と言ってくれて。冗談だと思いますけど」と、格好のネタになっている。

 福岡出身。小5の時に雑貨店を営むベーシストの父からギターをもらい、音楽の魅力に取りつかれた。大好きだった同じ福岡出身のシンガー・ソングライター、YUI(29)に憧れ、楽曲を次々コピーしていった。中3頃には、父と一緒に路上ライブで武者修行。ライブハウスでは「藤原さくらと保護者たち」名義でステージに立った。

 転機は高1。ボーカルスクールに入り、オーディションのために初めて作詞作曲した。悩みがあった。

 「大好きなYUIさんの曲が(高音で)歌いづらかったんです。コンプレックスでもあったし、自分の声質と合っていなくて…」

 藤原の人生を変えたのは「低い声も個性だし、高く出せるからいいってことではないよ」という、ボーカルスクールの先生の言葉。

 「それまでは、『練習したら(声質が)高くなるよ』とばかり言われていて、『個性だから、なくそうとしなくていい』と言われた時、すごく救われたんです」

 声質に合うアーティストを紹介してもらううち、洋楽に行き着いた。現在の“和製ノラ・ジョーンズ”と称される、英詞で低音スモーキーな歌声を響かせる藤原の魅力が方向性を定めた瞬間だった。

 それはドラマの佐野さくらとも通じる体験だったと振り返る。

 「台本を読んでいて、佐野さくらが神代先生に出会えたのも必然というか運命というか。私が出会ったのは女の人だったんですけど、私がその先生に出会って、もっと音楽が好きになれたのと同じように、佐野さくらも神代先生に出会って、神代先生が好きになって、『君の歌声いいね』と言ってもらえて、すごく自信になっていくんです。それは、すごくリンクするところがあって、そこは自分だからできたところなのかな、って思いました」

 最初のオーディションで現所属事務所に育成契約でスカウトされ、高校卒業とともに上京。昨年3月にメジャーデビューした。

 演技経験は事務所のレッスンで3、4回受けた程度。マネジャーには「歌を歌う女の子を探してるみたいだけど?」と声をかけられ、今回のオーディションを受けた。結果的に大抜てきにつながったわけだが「『月9のヒロインのオーディションを受ける?』って言われていたら、1000%受けないじゃないですか!?」と本音がダダ漏れなほど、想像していなかったのが現在の自分だ。

 「今は現状に精いっぱいで、これからこういう展望でいこう!!ってことは考えられなくて、歌と密接な関係があるドラマなので、今は必死に食らいつきながらやって、見てくれた方が『音楽は楽しいんだな』『人ってこうやって変われるんだな』って思ってもらえるよう、頑張ろうって感じです!!」

 一息で言い切った言葉には、連ドラに身を投じる困惑と充実が入り交じっていた。撮影終了後の6月下旬からはライブツアーがスタート。思いもしなかった二刀流人生は、藤原をどんな場所へと運んでいくのだろう。

 ◆藤原さくら(ふじわら・さくら)1995年12月30日生まれ、福岡市出身。父の影響で10歳からギターを手にし、高校進学後に楽曲制作を開始。地元のレストランや雑貨店でのライブで徐々に注目を集める。2014年3月、高校卒業後に上京し、インディーズデビュー。15年3月、メジャーデビュー。16年2月、初フルアルバム「good morning」をリリース。6月8日に初シングルとなる、福山が作詞作曲したドラマ主題歌「soup」を発売。アニメ好きで「おそ松さん」の推しキャラは「おそ松」。

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