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【映画MC伊藤さとり】人を惹きつける天才俳優の話術…大泉洋さんの場合

当代随一の映画MCと言われる伊藤さとり
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 「上映5分前=1=」

 「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」という淀川長治さんの映画解説が、幼い私にはあまりに衝撃的で、いつかああなりたいと思っていたら、24歳の時になんと夢が叶ってしまいました。

 そして映画舞台挨拶(あいさつ)の進行役の仕事を頂いたのもその頃。この「映画の司会」という仕事がまた奥深く、映画宣伝マンが作った台本はあるものの、記事にしやすいコメントとテレビで面白いと思われる動き、そして観客が聞きたいことに注意を払い、なにより俳優に“喋ってもらわないと”記事にならないので責任重大なのであります。

 今まで国内外様々な俳優さんとお仕事をしてきましたが、中でも舞台挨拶で人を惹きつける天才といえば、海外ではウィル・スミス、そして我が日本では大泉洋さんです。

 「職業は舞台挨拶」と自ら口外する俳優であり、国民的愛されキャラ、大泉さんは、毎回、ほれぼれするような舞台挨拶を展開してくれるのです。しかもイベント直前の打ち合わせでも、台本にしっかり目を通し、お客さんが楽しめるかを考えた上で、進行にアイデアをプラスしてくれるのが大泉さん。

 現在公開中の「焼肉ドラゴン」は、演劇賞を取った舞台の映画化で、大泉さん自身、チケットが取れなかったから九州まで見に行ったというくらい思い入れが強いのですが、その映画イベントでのこと。ちょうどW杯開幕のタイミングだったので、映画スタッフが大泉さんにW杯へのコメントを時事ネタとして提案しました。

 それに対して大泉さんは、自分はそこまでサッカーに詳しくないし、サッカーファンにも失礼になってしまうからコメントは控えた方が良いのでは?と返答。そこで私は映画自体への応援メッセージに変えました。それだけではなく、自分の話の中から、さりげなく他の共演者が話せるように会話を作っていくのが洋ちゃん節。だから多くの共演者が彼を好きになるんでしょうね。

 映画での役は、姉妹の間で揺れ、恋心を隠せずにいる素直過ぎる熱い男。これが見事にハマり、ましてやその役さえ愛おしく感じるのは大泉洋マジックか!?しかも映画がまた素晴らしい!血の繋がりも生まれた国も取っ払って、真っ直ぐな愛で人を包み込む父親と家族の物語に胸が熱くなり、驚くほど泣かされたのでした。

 ◆伊藤さとり(いとう・さとり)東京都出身。邦画&洋画の記者会見や舞台あいさつを週5回は担当し、年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介も担当。心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や恋愛心理テストも作成。

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