【上田まりえ 43】大人ならではの“シビアな世界”社会人野球

 第88回都市対抗野球大会が、東京都代表・NTT東日本の36年ぶりの優勝で閉幕しました。対戦相手のさいたま市代表・日本通運も53年ぶりの優勝がかかっていただけに、決戦の舞台である東京ドームは超満員!この時期のドーム内は空調が効いていて肌寒いはずなのに、人の多さとその熱気で羽織りいらず。カーディガンを忘れてちょっと落ち込んでいたのですが、杞憂でした。

 都市対抗もほぼ毎年観戦に行っています。予選から観に行くときもあるほど、空気感がものすごく好きなんです。トーナメント戦なので、負ければ終了。そこは高校野球と同じですが、大人ならではのシビアな世界にヒリヒリします。

 会社員であるということをベースに、いろんな価値観を持った選手たちが集まっているのが、“社会人野球”なんだと思います。高校を卒業したばかりのルーキーから40才近くのベテランまで、年齢の幅が広い。独身の人もいれば、一家の大黒柱として家庭を支えている人もいる。プロを目指している人もいれば、1年でも長く現役生活を続けようと必死な人もいる。引退後、マネージャーに転身したり、コーチや監督になって野球に携わる人もいれば、社業に専念する人もいる。自分で終わりを決められたらいいけど、肩を叩かれる人が大半の世界です。

 現実と戦う姿は、局アナ時代の自分と重なります。アナウンサーも会社員であるのと同時に専門職。異動の可能性がゼロではないので、レギュラー番組がなかった頃は危機感しかなかった。「上手くならなきゃ!」「結果を残さなくては!」「レギュラー番組がないなりに、自分のポジションを見つけないと!」と、アナウンサーでいるためにはどうしたらいいのか、会社に必要としてもらえる存在になれるのか、本当に悩みながら、日々の仕事と向き合っていました。

 会社を代表してユニフォームを着ることの意味。また、都市対抗出場チームは地域の代表でもあります。その責任の大きさを想像すると、サラリーマン時代の自分を思い出して、「頑張って…!」と、自然と祈るように応援している私がいました。

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