【上田まりえ 2】戦友 中日・岩田慎司選手引退-ありがとう、そしておめでとう
私にとって“戦友”とも言える友人が、今シーズンをもってプロ野球界を去ることになり、25年の野球人生を終えました。中日ドラゴンズの岩田慎司投手です。
知り合ったとき、私は日本テレビに内定していて、岩田くんはドラフト直前。夢や不安を語りあう中で、不思議と意気投合しました。5位で指名された瞬間、戦いのスタートラインに一緒に立ったような気持ちになったことを覚えています。
ルーキーイヤー、2人とも苦しみました。アナウンサーとプロ野球選手。一見華やかに思える世界にいながらも、すんごく普通の私たち。「お互い、華がなくて地味だけど、地道にコツコツ頑張ろう!」と、よく励ましあっていたものです。
その後、岩田くんは、あの“マジカルフォーク”で一躍脚光を浴びます。テレビや新聞で見るたび、正直複雑な気持ちでした。「活躍は嬉しいけど、すごく悔しい…!」なんて、本人に泣きながら電話したこともあったっけ。そのときの私はというと、レギュラーもなく、仕事に対して後ろ向きで、何もかもうまくいかなくて…。努力の末に出した結果だとわかっているからこそ、「私は何をやっているんだろう…」と、余計に悔しかった。結婚も先を越されましたしね(笑)
9月21日夕方、「引退することになったわ!」とメールがきました。24日か25日の阪神戦が引退試合になる…とも。ちょうどその週末が3日間オフで、23日は札幌ドームに行く予定だった私。急遽、新千歳空港から中部国際空港へ向かう飛行機と2試合分のチケットを取りました。最後の最後にプロ入り後の投球を初めて見ました。
メッセンジャー投手に対して投げた2球、いい球だった!引退セレモニーのスピーチで「本当はこんなところで喋らせていただけるような選手ではない…」と言っていたけれど、送り出してもらえるような選手になったのは、キャッチャーをも苦しめたマジカルフォーク、そして、野球への強い愛と人を大切にする心の結果だよ。「まりえちゃんはまだまだ現役選手だから、これからも頑張ってね。」と、逆に温かいエールを送ってくれた岩田くん。ありがとう。そして、新しいスタート、おめでとう!
