大きな肩を震わせ号泣…女子プロレスラー・川崎亜沙美、朝ドラ女優に大抜擢

【2011年12月06日付デイリースポーツ紙面より】

 現役女子プロレスラー兼女優の川崎亜沙美(27)が、NHK連続テレビ小説「カーネーション」に出演することが6日、大阪市のNHK大阪放送局で発表された。ヒロイン・尾野真千子(30)の次女を演じる。川崎は同作のヒロインオーディションに落選しており、まさかの“復活”に、会見中に感極まって涙を流した。作品の舞台である大阪・岸和田市在住のだんじり娘が、国民的番組で大暴れを誓った。

 豪快に笑っていた顔が急にゆがんだ。「(主人公のモデル)コシノさんのところもそうやけど、1個を追い求めてたら…、こういうこともあるんやと思いました」。あきらめずに芸能活動を続けて良かった。念願の大役を得た川崎は、横幅の広い肩を震わせながら涙をこぼした。

 2003年、歌手を目指して岸和田から上京した。不定期でライブを行いながら、空手経験を生かし、女子プロレス団体「JDスター」に入団。プロレスと女優業を兼ねるユニット「アストレス」のメンバーとして約3年、リングに上がった。06年に一度は引退したが、09年にフリーのレスラーとして再デビュー。10年を最後に試合は行っていないが、れっきとした現役のプロレスラーだ。

 もっとも川崎自身は、芸能活動により思い入れがあり、昨年末に行われた「カーネーション」のヒロインオーディションに参加。同時に東京の自宅を引き払い、岸和田へ戻った。地元を舞台にした作品だけに、「絶対に受かると思った」と気合満々で臨んだオーディションは最終カメラテストで落選。「もう笑うしかなかった」と“抜け殻”のようになった。

 しかし、神様は見ていた。審査中に見せた試合さながらの、気迫のこもった演技が関係者の印象に残り、ヒロインの次女への抜てきにつながった。「岸和田はホンマにだんじりしかない。めっちゃ荒々しい言葉やし、グチャグチャやし…。でも皆、カーネーション見て泣いてるんです。私も精一杯、岸和田を背負ったつもりで頑張ります」。

 叩かれても起き上がる根性は、愛する故郷で育まれた。作品に対する気持ちは誰にも負けない。観衆わずか数百人の中で戦ってきた“だんじり娘”が、涙をぬぐって国民的人気を誇る朝ドラという大舞台に挑む。

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