「アド街」山田五郎さん死去 67歳 24年に原発不明がん公表 17日の動画「俺が一番信じられないよ」

 美術評論家で編集者の山田五郎(やまだ・ごろう、本名・武田正彦)さんが14日に死去していたことが22日、分かった。67歳。山田さんのYouTubeチャンネル「オトナの教養講座」で発表された。2024年10月にステージ4Bの原発不明がんを公表。リンパや骨に転移して抗がん剤治療を受けていることも明らかにしていた。

 この日、山田さんのYouTubeチャンネルで、マネジャーが14日に「山田は天国へ行ってしまいました」と報告。19日に葬儀は済んでいるといい「本来ならば悲しいお知らせですので服装は地味なものと考えていましたが、明るいことが好きで湿っぽいことが嫌いな山田のことを思い、山田のスーツを着て座りながらお話しすることをお許し下さい」と述べた。

 すべての治療に立ち会ったというマネジャーは山田さんが「まだまだ仕事がしたい」と言っていたことや、桜の木を見て「来年も一緒に桜を見ような」と話していたことも明かし「本当に病気が憎い」ともらしていた。

 山田五郎さんは17日に配信した同チャンネルでは病状が悪化する中、気丈にふるまう様子を公開した。

 冒頭で、鼻に酸素ボンベをつけた山田さんが登場。「お久しぶりの収録になりますが」とスタッフに話しかけられると、かすれた声で「はい。この様(ざま)ですけどね」とシニカルに答えた。「体調はあまり良くない?」と聞かれ「もうご覧の通りですわ」とポツリ。その後、3月に昏睡状態に陥ってからの経過を説明した。

 「まず、3月に昏睡してから、あの後歩けなくなって車椅子になったじゃん。その次に腹水と胸水がたまって呼吸が困難になって酸素吸入じゃん。で次にさ、この俺がだよ。飯が食えなくなった。固形物が一切食えなくなって。トドメにさ、この俺がだよ。タバコ吸えなくなった」。食事も喫煙もできなくなった悔しさを吐露した。

 その上で「もう人間、立って歩いて飯食えてる間は死なないと思ったけど、もう死ぬよ。立って歩くことも飯食うこともできねえ。そんな状態です。」とつぶやいた。スタッフから「五郎さんが…信じられない」と言うと「俺が一番信じられないよ」と力なく話した。

 山田さんは、上智大学文学部在学中にオーストリアのザルツブルク大学に1年間留学し、西洋美術史を学んだ。卒業後は講談社に入社し、雑誌「ホットドッグプレス」の編集長などを経てフリーとなる。

 編集者時代からテレビ朝日系「タモリ倶楽部」やテレビ東京系「出没!アド街ック天国」などのテレビ番組にレギュラー出演し、美術や建築、歴史など博覧強記ぶりで人気タレントになった。

 昨年は「オトナの教養講座」が評価され、第17回伊丹十三賞を受賞。10月の授賞式には足元こそ危うかったが元気な姿を見せ、「飯も食えてますんで。このひと月で3キロぐらい増えた。食べてるうちは死なない」と話していた。

 「アド街」の出演も続けており、今月11日の放送回にも登場。「週刊現代」の7月20日号では連載対談「喫茶去」のレギュラーホストとして親交がある作家の荒俣宏氏を迎えていた。

 主な著書に「知識ゼロからの西洋絵画入門」、「知識ゼロからの西洋絵画史入門」、「知識ゼロからの近代絵画入門」、「闇の西洋絵画史」、「世界一やばい西洋絵画の見方入門」などがある。

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